前回までに、スイッチング電源の中核部分であるDC-DCコンバーターの基本構造と、その伝達関数を求める手法を解説した。スイッチング電源として利用するためには、DC-DCコンバーターの出力を確認し、それを基に制御する機構が必要となる。この制御系の設計においては、安定性を評価する指標、負荷変動への応答を評価する指標、入力変動への応答を評価する指標を確認することが不可欠だ。

 降圧型や昇圧型などのDC-DCコンバーターは、それだけではスイッチング電源として使えない。所望の電圧を得られているかどうかを確認し、それを基に時比率を制御する機構と合わせて利用する必要がある。

 基準電圧Vrを得る定電圧制御を行うスイッチング電源では、補償器が出力電圧VoutVrを比較し、その差Vcを出力する。それを基にPWM(pulse width modulation)制御部がスイッチをオンにすべき時間D(時比率)を求めて出力する。

 このDを入力されたDC-DCパワーステージ部が、スイッチのオン/オフを制御して入力電圧Vinからの電圧変換を行う(図1)。非絶縁の電源の場合は、パワーステージ部に降圧型コンバーター、昇圧型コンバーター、昇降圧型コンバーターなどを用いる。

図1 定電圧制御するスイッチング電源の基本構成
降圧型や昇圧型などのコンバーターがスイッチング電源の主要部であるパワーステージの役割を果たす。ここに、基準電圧と補償器からPWMによってコンバーターを制御する機能を付加する。
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 PWM制御部は、一定の周期と波高値Vrampを持つのこぎり波(または三角波)を発振する回路と、コンパレーター回路で構成する。のこぎり波の値が入力されたVcと同じになるまでの時間をオン期間として判断する。ここでPWM制御部の変換ゲインFmには

を用いる。のこぎり波のVrampまでの立ち上がりが直線である場合は、微小変動を考慮しても変換比は変わらない。

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