(写真:トラノスケ/PIXTA)

 日本では年齢と性別に対して、ある意味では敏感だし、別の意味では鈍感と以前から感じている。“敏感”というのは、年齢と性別による採用の制限のことである。初めの段階から厳しくふるいにかけられ、どんなに経験豊富な職歴を持っていても、面接にさえたどり着けない。最近、雑誌か何かで“40歳代でも必要とされる人材”なる記事を目にしたが、こういう言葉が見出しになるのは、裏を返せば40歳になってしまったらとてもではないが仕事を見つけることが困難、という社会通念を示しているのではないだろうか。

 “鈍感”の方は、年齢と性別を掲げることが差別に繋がり得ることへの意識の薄さである。鈍感であるというより「雇用したら個人情報は教えてもらうのだから、今聞いたところで何の支障もないだろう」程度の考えなのかもしれない。だとしても、「個人情報をそれほど聞かなければならない理由は何か」という疑問と、「聞きたい理由があること自体が差別意識の表れなのでは」という疑問が拭いきれない。

 多種多様な人々が暮らす米国で、企業が年齢や性別のみならず、人種、家族構成、既婚か未婚かなど、プライベートな情報に触れるのは違法である。各企業は必ず「当社はそういった項目をベースに採否を決めることは一切ありません」とアピールしている。公平性のアピールにより、より多くの人材に対して「応募したい」と思わせる環境をつくり、同時に訴えられる危険性を避けるためである。こういった側面から見ると、米国での就職活動の方が日本に比べて可能性が広がる、と言わざるを得ない。

 しばらく前に、ある日本企業の採用担当者と話す機会があった。上記で述べた項目はもちろんのこと、出身地、出身校、両親や兄弟の年齢や職業などまで、かなり詳しく聞かれた。米国に長年暮らしていて、筆者が日本の習慣から遠ざかっていたためかもしれないが、かなりのショックを受けた。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら