横浜DeNAベイスターズのアレックス・ラミレス監督は積極的なデータ活用によって弱小チームを2年連続のAクラスに導き、昨シーズンは日本シリーズにも進出した。2017年のプロ野球クライマックス・シリーズでファンをあっと驚かせたあの「神継投」も、データに基づき決めたという。データを駆使して選手のやる気を引き出す「ラミ流」マネジメント術の勘所について、横浜DeNAベイスターズ監督のアレックス・ラミレス氏に聞いた。

(聞き手は大和田 尚孝=日経 xTECH日経コンピュータ、編集は染原 睦美=日経 xTECH日経コンピュータ


昨シーズンのクライマックスシリーズで(従来は先発起用の)今永投手を初めて中継ぎで起用しました。「神継投」とも呼ばれたあの采配は、どう導き出しましたか。

 完全にデータを見ていました。(対戦相手だった)広島(東洋カープ)打線の1番から5番は、今永に対して打率3割5分以上というデータがあったのです。先発で起用すると、3回程度その打順に今永をさらすことになる。それよりも、リリーフとしてブルペンで待機してもらい、1~2イニングをしっかり抑えてもらう方が合理的だと判断しました。

「神継投」の裏にもデータの力があった
(写真:村田 和聡、以下同)
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データでは正しくても、意外な起用をすると反発もあるのでは。

 選手の中にはそう感じる人もいるかもしれませんね。どんな戦略にも選手によって多少の好き嫌いがあるでしょう。ただ、要は結果なのです。仮に「数字を信じない」と言っても、数字を信じて良い成績が出たなら、信じないわけにはいかなくなります。

 結果は、彼らの起用を左右しますし、ひいてはそれが給料に、そして彼ら自身がこの世界でスーパースターになれるかどうかにつながっていくわけです。自分自身のやり方でやっていたら、そうはいかないでしょう。結果をもって、徐々に分かっていってもらうしかありません。

現役時代は重視していなかった

監督は現役時代からデータを重視していたのですか。

 実は、来日当初は、データを全く信じていませんでした。東京ヤクルトスワローズ時代は、何でこんなにミーティングをやってデータを詰め込むんだ、待っていればストライクは来る、それを打つまでだ、と思っていました。

 でも、それは間違いでした。特に、私は外国人選手でしたから、まずは日本人より良い結果を出さなくてはいけない。そのために分析は不可欠だと気づいたのです。ほかの選手とは違う準備をしないと勝ち目がない。その意味で、現役時代の私の準備は、ほかの選手とは違いました。

 僕は外国人選手として初めて通算2000本安打を達成したわけですが、それはほかの選手より優れていたからかというと、必ずしもそうではない。ルーティンや分析を通じた準備にフォーカスしたことで、それが結果として他選手との差異化につながった。自分自身が積み重ねる「準備」を信じて続けてきました。それが数字という結果に表れたのだと思います。

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