セ・リーグの下位が常連だったチームを2年連続のAクラスに導き、昨シーズンは日本シリーズにも進出した。躍進の背景には徹底的なデータ活用がある。データに基づく采配と、選手のやる気を引き出すマネジメント術の勘所を横浜DeNAベイスターズ監督のアレックス・ラミレス氏に聞いた。

(聞き手は大和田 尚孝=日経 xTECH日経コンピュータ、編集は染原 睦美=日経 xTECH日経コンピュータ


データ活用を積極的にしていると聞きます。改めて、その理由を教えてください。

 監督として重要なのは、プラン、ルーティン、戦略だと思っています。この3つをすべて選手のプレーに活かすことこそが、成功する監督の条件ともいえるでしょう。野球はアウトを取るだけのスポーツではありません。ゲームプランを組み立てることが必要であり、そのためのプラン、ルーティン、戦略が必要なのです。

 データから学び、分析し、試合前に準備しておく。どんな状況でも対応できるようにしておくことが監督としての役割であり、ひいては監督と選手の成功につながります。

 メディアに対しても同じ戦略で臨んでいます。毎回20社程度のメディアから質問をされます。メディアの質問にしっかり対応するには、準備が必要です。彼らが考えているよりも先のことを言う必要があると思っているからです。その点でもデータが重要です。

データの重要性を語るラミレス監督
(写真:村田 和聡)
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日本の野球界には、選手はデータを見ている暇があったら素振りをするべきといった「根性論」がいまだ根強いのではないでしょうか。

 そうですね。私が監督に就任した当初は、選手も私のことをよく知らないわけですよね。そうすると、僕が常識とかけ離れたことをやろうとすると、選手は本心では信じてくれていなかったと思います。でも、それは時間をかけることで解消できます。

 私は自分の戦略に対して終始一貫した姿勢でいますし、それを選手に理解してもらおうとしてきました。それが最も難しいことでもありました。一方、監督として、自分自身の準備を怠らず、首尾一貫した姿勢でいる。これこそが最も大切なことだと感じています。それこそが、選手に私を信頼してもらい、私が言っていることが理にかなっていると思ってもらえる唯一の道でしょう。

 私は長期的な戦略を重視します。明日のことだけでなく長い目で考えて、「この日、この時点でこうなるためにはこうするべきだ」といったことを常に考えています。「その日」は必ず来るわけで、「その日」をどう迎えるかは私にかかっているのです。「その日」に向かって私自身がどう準備したか、私が選手にどう何を教えたのか。「その日」に最善の状態でたどり着くという目的に照らし合わせて、私は今のようなスタイルを貫いています。

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