「万年Bクラス」の代名詞だったといってもいい。プロ野球の横浜DeNAベイスターズは、10年以上「弱さ」を象徴する言葉と共に語られ続けてきた。状況が一変したのは、2016年シーズンだ。2015年に最下位だった成績は、終わってみればセントラル・リーグ3位。11年ぶりにセ・リーグ上位半分に入るAクラス入りを果たした。クライマックスシリーズでは、シーズン2位の読売巨人軍を破り、決勝へ進出。惜しくも広島東洋カープに敗れ、日本シリーズ進出は逃した。

 2016年の大躍進が運ではなかったことを示したのが2017年シーズンだ。レギュラーシーズンを16年ぶりの勝ち越しで終えたベイスターズは、3位でクライマックスシリーズに進出。決勝に進み、因縁の広島カープと再戦した。2敗で迎えた3戦目以降、4連勝という離れ業でセ・リーグ優勝をつかみ取り、19年ぶりの日本シリーズ進出を果たした。

横浜DeNAベイスターズは2年連続Aクラス入り、2017年シーズンは19年ぶりの日本シリーズ進出を果たした
(C)YDB
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 大幅な戦力増強をしたわけではない。変化をもたらした要因の1つは、2016年から監督に就いたアレックス・ラミレス氏の存在だろう。ラミレス監督のマネジメント手法を語るのに切っても切れないのがデータだった。2012年にディー・エヌ・エー(DeNA)がベイスターズを買収して以降、着実に進めてきたデータ活用が司令塔の「使い方」で開花したともいえる。

FA選手にオファーする年俸もはじき出せる

 ベイスターズが主に使うシステムは「MINATO(ミナト)システム」と「CANVAS(キャンバス)システム」だ。「ミナトは戦略、キャンバスは戦術のためのシステムだ。それぞれコーチや選手、監督の意思決定を支えている」(データ分析に関わるチーム統括本部チーム戦略部壁谷周介部長)。

 ミナトシステムは基幹データベースといえるシステムで、選手や試合に関する様々なデータを蓄積してチームの強化に役立てる。入力するデータは試合結果や個人成績からコーチが選手を指導した内容、フィジカルトレーニングの内容、選手の健康状態まで。1軍だけでなく2軍の選手も含む。データを集約することで、チームに不足している戦力や強化すべき選手、具体的な強化方法が一目瞭然になる。情報を属人的に管理するのではなく、コーチやスカウトといったマネジメント層が共有できるようになるのは大きい。

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