住宅に付帯する設備機器をメーカーが無償で修理する保証期間は、1~2年が一般的だ。しかし、故障は保証期間が過ぎてから発生するケースが圧倒的に多い。設備機器の所有者に故障がいつ発生したのかを聞いた調査では、2年目以降が9割超を占めていた〔図1〕。

〔図1〕不具合の発生時期は2年目以降が9割超
10年以内に住宅設備を購入した全国の4142人を対象に、住宅設備に不具合が発生した時期を尋ねた結果。2年目以降が9割を超えた。日本リビング保証が2013年に実施(資料:日本リビング保証)
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 保証期間終了後の故障は、住宅会社にとって厄介な問題となる。修理費用が相当な金額になるからだ。ポラス(埼玉県越谷市)のグループ会社が建築・販売した住宅の中には、引き渡しから8年目までに設備機器の故障が8回発生し、計11万9000円の修理費を要したケースがある〔図2〕。

〔図2〕8年目までに12万円の修理費
ポラスグループが建築・販売した中で、設備機器の故障が多かった住宅の一例。8年目までに要した修理費は約12万円。給湯器と温水洗浄便座は異なる3カ所で不具合が発生した(資料:ポラス)
発生時の築年数 現象 修理費用
2年4カ月 給湯器の自動湯はリ機能が誤作動 1万8000円
4年2カ月 温水洗浄便座の水が止まらない 1万8000円
5年1カ月 インターホンが勝手になる 1万3000円
5年4カ月 便座のふたの閉まりが速い 1万円
6年2カ月 キッチンの混合水栓で水が垂れる 1万1000円
6年3カ月 温水洗浄便座の電源が入らない 1万2000円
6年9カ月 給湯器のリモコンが反応しない 1万5000円
7年1カ月 給湯器の基盤故障でお湯が出ない 2万2000円
合計 11万9000円

 住宅会社に修理費の肩代わりを求める建て主は少なくない。設備機器の故障を巡って、建て主と住宅会社がもめるのを避ける方法の1つは、設備機器の延長保証だ。ヤマダ・エスバイエルホームが2015年8月から新築住宅の標準仕様に組み込み始め、業界内で広がりを見せている。

 ポラスグループの一員でアフターサービスを手掛ける住宅品質保証は、17年4月から設備機器の延長保証を新築住宅で開始した。ポラスグループとして自前の保証で、10年保証と5年保証を用意する。利用者の約9割は10年を選ぶ。

 過去に発生した故障履歴から故障率を割り出して費用に反映させるなど、綿密に計算して組み立てた仕組みだ〔図3〕。サービスを始めた理由について住宅品質保証管理課の青木剛課長は「他社が提供する保証を利用するよりも費用を抑えられ、自社のアフターサービスとも1本化できる。保証の必要性について根拠ある説明をできる点も強みだ」と話す。

〔図3〕住宅会社が自前で延長保証を
住宅品質保証が自前で運営する設備機器の延長保証「住設ワランティ」について説明するリーフレット。ポラスグループが販売・設置した、製造から5年もしくは10年以内の10種類の設備機器を対象にする。メーカーは問わない。食器洗浄機は5年以内の故障率が高いので、5年間の保証を受けるための料金は1万円と高く設定した(資料:ポラス)
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