Case1 省エネ給湯器
低周波音へのリスクを指摘

 断定することはできないものの、関連性は否定できない――。「エネファーム」など家庭用コージェネレーションシステム(以下、家庭用コジェネ)の運転音によって、不眠などの健康障害を発症したとする事案の検証結果だ。消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)が2017年12月、報告書にまとめた〔写真1〕。

〔写真1〕思いがけぬ影響
(写真:井坂法律事務所)
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庭先などに設置した省エネ給湯器の運転音に「不眠などを引き起こす」と訴える声が上がる。消費者安全調査委員会が出した結論は、「断定はできないものの関連性は否定できない」だった(資料:消費者庁)
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 同様の訴えは「エコキュート」で知られるヒートポンプ給湯器でも上がっている。消費者事故調は14年12月に出した報告書で「運転音が申し出者の健康障害の発生に関与していると考えられる」と判断した。

 各報告書によれば、省エネ給湯器の運転音に関して消費者庁に寄せられた申し出や相談の件数は、家庭用コジェネで73件、ヒートポンプ給湯器で112件に達した〔図1〕。「隣家や自宅にある省エネ給湯器の運転音で、不眠や頭痛、耳鳴りなどを発症した」といった内容が目立っている〔図2〕。

〔図1〕省エネ給湯器の運転音に関する相談は多い
省エネ給湯器の運転音に関する相談などの件数。消費者安全調査委員会の「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書」の集計結果を引用した。集計期間は家庭用コジェネが2009年9月~17年9月、家庭用ヒートポンプ給湯器が09年9月~14年2月(資料:消費者庁)
機器タイプ 家庭用コジェネ 家庭用ヒートポンプ給湯器
事案件数 73件(燃料電池コジェネ:58件、ガスエンジンコジェネ:15件) 112件
〔図2〕不眠や頭痛などストレス系症状が目立つ
消費者安全調査委員会の「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書」の燃料電池コジェネに関する聞き取り調査結果から抜粋。調査対象者への聞き取りでは、不眠やイライラなど、ストレス由来の症状を訴える人が多かった(資料:消費者庁)
調査対象者 調査対象者の状況 自宅寝室壁までの距離(m) 同居人の発症状況
性別(年齢) 訴えている症状 設置時期 稼働開始から発症までの期間 発症有り(人) 発症なし(人)
男(50) 不眠、頭痛、耳鳴り、倦怠感、吐き気、胃痛、下痢、便秘 2014年11月 1カ月未満 2 0 4
女(40) 耳鳴り、不眠、低音障害型難聴 2014年10月 引越し後1カ月未満 3.5 0 3
男(70) 不眠 2014年9月 1カ月後 7 0 1
男(40) 不安感、イライラ、不眠、胸の圧迫感、歯の食いしばり、筋肉の緊張 2013年7月 2カ月後 3 0 3
女(30) 頭痛、不眠、うつ 2013年 引越し後1カ月未満 5.8 1 1
女(60) めまい、頭痛、不眠 2012年12月 9カ月後 4 0 5
男(60) 耳鳴り 2012年6月 3カ月後 7 0 1
女(40) 不眠、頭痛、吐き気、頚椎痛、歯の食いしばり、喘息、イライラ、脱毛 2011年7月 3カ月後 15 0 1
女(50) 不眠、動悸(どうき)、体重減少、不安感、イライラ、胸の圧迫感 2010年12月 1カ月未満 6 1 1
女(40) 不眠、頭痛、胸の圧迫感 2010年8月 1カ月未満 10 1 2

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