日本経済がバブルの様相を呈した1988年(昭和63年)、オープン化を契機にNTTデータなど大手システムインテグレーター(SI会社)が続々と登場した。IT業界でSEの人材育成が急務となったのもこの年だ。

史上初の日経平均株価3万円台に沸く東京証券取引所
出所:共同通信
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 1988年、日本は好景気に沸いていた。当時としては史上最低の金利水準で土地や株式への投資が過熱し、日経平均株価は初めて3万円台に突入。日産自動車の高級車シーマが飛ぶように売れて「シーマ現象」と呼ばれた。

 日本経済がバブルの様相を呈するなか、IT業界は構造変革の転機を迎えた。その象徴が大手SI会社の相次ぐ誕生だ。

 1月に日本初の民間シンクタンクだった野村総合研究所(NRI)と野村証券のシステム子会社の野村コンピュータシステムが合併し、新生NRIが発足。4月には新日本製鉄(現新日鉄住金)の情報システム部門とシステム子会社の日鉄コンピュータシステムが統合して新日鉄情報通信システム(現新日鉄住金ソリューションズ)が登場した。7月にはNTTのデータ通信事業本部が分離独立してNTTデータ通信(現NTTデータ)が始動した。

オープン化がSI需要を喚起

 SI会社が相次ぎ生まれた契機は企業システムのオープン化だ。それまではメインフレーム(大型汎用機)を利用した中央集権型のシステムが主流であり、使用するハードウエアやソフトウエアは日本IBMや富士通などメーカー独自の技術仕様に基づいていた。システムの設置やソフト開発、運用などの業務はメーカーが担っていた。

 だが半導体やメモリー、ネットワークの性能向上と低価格化が進むにつれて、小型サーバーやパソコンで構成するクライアント/サーバー(C/S)システムが企業で普及し始めた。C/Sはメインフレームと異なり、技術仕様を基本的に業界標準に合わせるオープンシステムの考え方を採る。このためユーザー企業は異なるベンダーのパソコンやOS、ミドルウエア、アプリケーションなどを必要に応じて組み合わせてシステムを構築できる。

 オープン化の台頭により、IT企業は事業変革を迫られた。複数のメーカーの製品を組み合わせてシステムを構築する「システムインテグレーション(SI)」のサービスが求められるようになったのだ。

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