情報を発信する文化――。ITエンジニアの間で顕著に見られるこの文化が注目され始めている。

 LT(イベント参加者が数分ずつプレゼンテーションをする「ライトニングトーク」の略)、読書会、輪読会(複数の人が集まって技術書などを分担して読み要点や感想を共有する会合)など情報を発信する活動が、Web系を中心とするIT業界・IT職場で盛んだ。平日の夜や休日など、会社を超えたオープンな場で行う情報発信の場も増えてきた。最近では、異業種の企業広報担当者が集ってLTをする「PRLT」など、IT以外の職種にも波及している。

 この傾向は極めてヘルシー(健全)である。ITエンジニアの文化が非IT職種の学びや課題解決につながる。その結果、IT職種に対する正しい理解とITエンジニアへのリスペクトが生まれる。ITエンジニアがPRLTなど他職種の発信の場に参加して交流する流れもできつつある。ITと非ITの相互理解が深まる。実にすがすがしい。

機密縛りが強すぎるIT職場の問題地図
(出所:あまねキャリア工房)
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 一方でIT業界やIT職場であるにもかかわらず、情報発信が許されずもどかしい思いをしているエンジニアもいる。

何でもかんでも「秘匿事項」「機密扱い」の縛りが生む弊害

 Webベンチャー系企業の多くは情報をオープンにする文化が根付いているが、いわゆるレガシー企業は情報発信に厳しい制約を設けているケースが少なくない。筆者が知っている範囲では、旧来型の請負型SI企業、金融系企業、自動車系企業、これらの会社の2次請け、3次請けなどの中小IT企業やSES(System Engineering Service)企業などで多い。

 何でもかんでも「秘匿事項」「機密扱い」。過剰なコンプライアンス(法令順守)とITガバナンスが追い打ちをかけて神経過敏になる。その影響は2次請けや3次請けにも及ぶという構図だ。

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