「申し訳ありません。フリーランスの方との取引はNGだと、経理から待ったが掛かりました」

 先日、筆者に講演を依頼してきていたあるIT企業の担当者からこう言われ、言葉を失った。

 個人事業主になって4年半。100を超える企業、自治体、官公庁と取引してきた。古くから続く大手製造業やインフラ企業が大半を占めるが、その中には自社のルールを変更してフリーランスとの取引を始めた企業もある。そういう世の中の潮流にあって、よもやIT企業から「フリーランスとの取引はNG」と言われるとは思ってもみなかった。

 そのIT企業の担当者は、経理のルールは守らなければならないが、どうにかして筆者に講演を発注したいとのことだった。「どこか間に入ってくれる会社はありませんか」と打診された筆者は、エージェントとなる会社を見つけて、IT企業との契約にこぎつけた。

 契約できて良かったと済ませるわけにはいかない。エージェント探しに要した手間は全くの無駄。しかもマージンが発生する。

 今回は良心的なエージェントを見つけることができたが、見つからなかった場合は案件を辞退せざるを得ない。そうなれば、痛手を被るのは受注者である筆者だけではない。発注者のそれまでの段取りは水の泡だ。

残念な本社組織によって「仕事ごっこ」にまみれるIT職場の問題地図
(出所:あまねキャリア工房)
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本社組織の思考停止が、IT職場の成長を妨げる

 「フリーランスとの取引はNG」にも合理性があるかもしれない。例えば大手製造業での資材調達のような中核業務を丸ごとフリーランスに委託するのは、現実的ではないだろう。

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