本特集「コンビニ3社 POSレジ競争」では、大手コンビニエンスストア3社が2017年から導入を始めた新型POS(販売時点情報管理)レジについて、1社ずつ詳細に見てきた。そのなかで大きな違いの1つが、セブン-イレブン・ジャパンは店員が来店客の見た目から性別と年代を推測して入力する「客層ボタン」を残したのに対し、ファミリーマートとローソンは同時期に廃止したことだ。

 もともと客層ボタンは1985年ごろにセブン-イレブンが業界で初めて導入し、同業他社にも広がった。その客層ボタンの“生みの親”は、今回の改廃をどう見ているのか。セブン-イレブンで長年情報システムの構築に関わり、同社の常務取締役情報システム本部長を務めたのちに退社し、現在は流通業を中心としたコンサルタントや大学教員として活動するオピニオン代表取締役の碓井誠氏に話を聞いた。

(聞き手は清嶋 直樹=日経 xTECH/日経コンピュータ)

碓井さんが「客層ボタン」を作ったのか。

オピニオン代表取締役の碓井誠氏
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 私がセブン-イレブン・ジャパンに勤めていた1980年代に、客層ボタンの実装に関わったのは確かだ。

 客層ボタンはスーパーのレジにはない、コンビニならではのものだ。家族需要をまかなうスーパーの場合は、来店客の客層を見ても、その背後にある家族のことまでは分からないので、あまり意味がない。一方、コンビニは個人需要を満たすことが主体だ。個店ごとに異なる客層を正確に把握して、それぞれの店舗の客層に合った品ぞろえをする意義は大きいと考えた。そのための情報を得るために、客層ボタンを作った。

セブン-イレブン・ジャパンが新型レジでも引き続き利用する客層ボタン
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 例えば、住宅地だが近隣にオフィスも多い場所にあるコンビニの場合、平日と休日とでは客層が大きく変化する。こういう店では「住宅地立地」「オフィス立地」という単純な立地の分類だけで品ぞろえを組み立てるのは得策ではない。客層ボタンで曜日や時間帯ごとの客層を捉えて、平日ならオフィスワーカー向けの弁当を多めに発注しておくといった、きめ細かな店舗オペレーションが必要になる。

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