米国の大手テクノロジー企業として、しばしば名が挙がるのは、Apple(アップル)、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)、Facebook(フェイスブック)の5社。このうちGoogleとFacebookは、いずれも収益の8割以上をインターネット広告から得ている。一方で、Amazonは8割以上がeコマースをはじめとする小売り事業だ。

 そのAmazonが近年、ネット広告の売り上げを急速に増やしている。今後数年のうちにネット広告市場の2強を脅かしながら勢力を伸ばしていくと、Wall Street Journalなどの米メディアは伝えている。

米テクノロジー5社の主要収益源
インフォグラフィックス出典:ドイツStatista
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GoogleとFacebookに次ぐ3位の広告企業に

 米国は依然、ネット広告市場の規模が世界で最も大きい国だ。その同国で市場を支配しているのは、GoogleとFacebookである。米市場調査会社eMarketerによると、同国のネット広告市場における2018年の広告収入シェアは、Googleが37.1%で首位。これにFacebookが20.6%のシェアで続き、その合計は57.7%と過半を占める。

 そうした中、Amazonの広告事業が急成長している。同社のネット広告収入は2018年、前年比144.5%増の46億1000万ドルになるとeMarketerは見ている。これによりAmazonのシェアは4.1%となり、Microsoftや米Oath(米Verizon傘下の米AOLと米Yahooの中核事業を統合した企業)を抜いて同国ネット広告市場で3位に浮上するという。

 また2019年は、前年比57%増の72億3000万ドルとなる。2020年は同51%増の109億2000万ドルとなり、シェアは7%に拡大するとeMarketerは予測する。この7%という数値は、GoogleやFacebookと比較すると依然小さなものだ。しかしAmazonは今後、着実に上位2社との差を縮めていくと、eMarketerは予測している。

関連リンク:Wall Street Journal

広告事業を本格展開

 Amazonの広告事業とは、どのようなものなのか。同社は現在、自社のeコマースサイトで「スポンサーリンク」「スポンサープロダクト」といった広告商品を展開している。これらは、利用者が入力した検索キーワードや閲覧内容に関連する、スポンサー企業の商品を検索結果ページや商品詳細ページに表示するというものだ。

 先ごろ米メディアのRecodeは、Amazonの米国eコマースサイトに表示される広告がここ最近、顕著に増えてきたと報じていた。

 例えばキーワードに、朝食などで食べる「cereal(シリアル)」を入力して検索した場合、Webページの上から3段はすべて、Kellogg(ケロッグ)やQuaker Oats(クエーカーオーツ)などのスポンサーリンクが表示される。その下の4段目に表示されるのは、Amazonが2017年に買収した高級スーパー「Whole Foods Market」のプライベートブランド(PB)である。これらスポンサー広告やAmazonの自社宣伝に左右されない「オーガニックサーチ(自然な検索=100%利用者が意図した検索)」による商品は、5段目になってようやく登場する。つまり、利用者が画面をスクロールしなければ自然な検索結果は現れないというわけだ。

 Recodeによると、スマートフォンで検索した場合、2ページ目になって初めてオーガニックサーチの結果が表示される。このほかRecodeは、「靴」「ヘッドホン」「ローション」「電池」「洗剤」「モバイルバッテリー」など、さまざまなキーワードで商品を検索したが、それらの結果も画面上部の大半をスポンサーリンクが占めた。Amazonがスポンサーリンク広告を始めたのは2012年だが、当時はこれほど多くのスポンサー商品が表示されることはなかった。Amazonは、ここに来て一気に広告事業を本格展開したとRecodeは伝えている。

関連リンク:Recode

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