米国の市場調査会社eMarketer(eマーケター)によると、中国のeコマース市場はAlibaba Group(阿里巴巴集団)とJD.com(京東商城)による複占が続いている。例えば2018年の売上高シェアはAlibabaが58.2%、JD.comは16.3%。この2社で同国eコマース市場の4分の3を占める。

 これに対し、米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の中国における売上高シェアは1%にも満たない。売上高ランキングは7位にとどまるという状況である。

中国eコマース市場の売上高シェア
インフォグラフィックス出典:ドイツStatista
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 アマゾンが中国市場に進出したのは15年前のこと。当初は2004年に買収したJoyo.com(卓越網)との共同ブランドで事業を始めたが、2011年に自社ブランド「Amazon.cn(亞馬遜)」を立ち上げた。2016年には米国や日本などで展開している有料会員プログラム「Prime」を中国でも開始し、顧客の囲い込みを図った。しかし、米Motley Foolによると、中国版Primeは十分な効果を得られず、他国のような展開に至っていない。

関連リンク:Motley Fool

地場企業と提携し、輸入販売をてこ入れ

 そうした中、アマゾンの中国事業が同国のeコマース企業と統合する計画を立てていると、中国の経済誌「財経(Caijing)」が報じた。その企業とは、インターネットサービス会社NetEase(網易)傘下の輸入品販売大手Koala(考拉)である。

関連リンク:財経

 報道によると、親会社のNetEaseは収益の大半をオンラインゲームと広告で稼いでおり、その営業利益率は60%を超える。これに対し、Koalaの営業利益率は10%程度。Koalaはアマゾンと手を組むことで、輸入品調達のコストを削減できると期待している。

 一方、中国のeコマース全般では1%に満たないアマゾンのシェアは、輸入品販売事業に限って見ると6%になる。この分野はAlibabaの「Tmall Global(天猫国際)」がシェア29%で首位。その後を追うのがKoalaで、そのシェアは22.6%。アマゾンは、より小規模な市場で業界2位と連携し、中国eコマース市場でシェア拡大を図る。輸入販売であれば同社の強みを生かせるほか、旺盛な中国消費者の需要に応えられると考えているようだ。

eコマースは小売市場成長のけん引役、中国では35%占める

 なおeマーケターによると、中国における2019年の小売総売上高は米国を上回り、世界トップの小売市場になる見通しだ。2018年の中国における小売総売上高は5兆2430億ドル(約581兆円)で、米国の5兆3530億ドル(約593兆円)を下回っていた。しかし2019年は中国が5兆6360億ドル(約624兆円)となり、米国の5兆5290億ドル(約612兆円)を上回ると予測している。その差は1000億ドル(約11兆円)を超えるとeマーケターは見ている。

 そして中国ではeコマースが小売市場成長の重要なけん引役となっている。eマーケターの推計によると、2019年の中国eコマース市場の売上高は1兆9890億ドル(約220兆円)で、同国小売総売上高の35.3%を占める見通し。この比率は世界で最も高く、他国を大きく上回る。例えば米国のeコマース比率は2019年、10.9%となる見通しだ。ちなみに、中国のeコマース売上高は2013年に米国を上回っている。

関連リンク:eMarketer

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