米Apple(アップル)が2018年秋に市場投入した「iPhone」の新モデルシリーズは、販売が芳しくなかったようだ。

 同社は2018年9月にiPhoneの上位モデル「iPhone XS」「iPhone XS Max」を、同年10月に下位モデル「iPhone XR」を発売した。香港の市場調査会社Counterpoint Technology Market Researchの報告によると、これらモデルの2018年11月時点の合計販売台数は、2017年モデル(iPhone X、iPhone 8、iPhone 8 Plus)の2017年11月時点の合計販売台数よりも20%以上少ないという。

 このほか、最廉価モデルの「iPhone XR」と「iPhone 8」の発売当初の販売台数を比較すると、「XR」は「8」よりも5%少ない。同様に、最上位モデルの「XS Max」と「X」を比較すると、前者は後者に比べ46%少ないという。

「下位モデルのXRが不振」と米メディア

 Wall Street JournalやNew York Timesなどの米メディアは、世界最大のスマートフォン市場である中国で、売れると見込んでいたiPhone最新モデルの下位モデルが販売不振に陥ったと報じている。

 iPhoneは中国で、ステータスを求める消費者層に人気があった。そのため、これまでは「7」「8」といった下位モデルも同国でよく売れた。だが今の中国市場は、Huawei(華為技術)、Oppo(広東欧珀移動通信)、Vivo(維沃移動通信)といった地場メーカーが、iPhoneの下位モデルよりも手ごろな価格の高級モデルを販売するようになった。

 iPhone XRの中国における販売価格は約950ドル。これに対してHuaweiの高級モデルは、それよりも3割以上安い約600ドル。ここ最近、中国メーカーのスマートフォンは機能が向上しており、価格と機能のいずれにおいてもiPhoneを上回っている、とNew York Timesは伝えている。

「もはやすべてのiPhoneがステータスシンボルではない」

 Wall Street Journalは、中国ではiPhoneのステータスシンボルとしての意味合いが薄れてきたと指摘している。ステータスを求める消費者は、最も価格が高いiPhone XS Maxのみを選択している。今や、ステータスという役割はこのXS Maxにしか残っていないのだという。一方でiPhone XRは、価格重視の消費者層と、ステータス重視の消費者層のどちらにも訴求しない中途半端な製品だと、同紙は伝えている。

関連リンク:Wall Street Journal
関連リンク:New York Times

 こうした統計データや米メディアの報道を裏付けるかのように、Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は2019年1月2日に投資家に宛てた書簡で、2018年10~12月期の業績予想を下方修正すると発表した。その理由として、中国スマートフォン市場の縮小に伴う来店客の減少などを挙げた。

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