米国のテクノロジー企業が、古くからの拠点である西海岸の地を越えて、米国の様々な都市に入り込もうとしている。

GoogleがNYオフィスの大規模拡張計画、従業員数倍増へ

 西海岸のシリコンバレーに本社を置く米Google(グーグル)は2018年12月、ニューヨークのオフィスを大規模に拡張すると発表した。

 ニューヨーク中心部のマンハッタンで複数の大型オフィスビルを借り、「Google Hudson Square」と呼ぶ新キャンパスを設置する。その敷地面積は約16万平方メートルと、東京ドーム3.4個分。投資額は10億ドル(約1100億円)を超える。同社のニューヨークオフィスにおける従業員数は、現時点で約7000人。これを10年かけて2倍の1万4000人に増やす計画だ。

関連リンク:Googleの発表資料

Appleはテキサスに新社屋、本社に次ぐ規模

 同じくシリコンバレーに本社を置く米Apple(アップル)も2018年12月、南部テキサス州オースティンに新社屋を建設すると発表した。加えて同社は、東部ペンシルベニア州ピッツバーグと、ニューヨーク、中西部のコロラド州ボールダーで、オフィスを拡張する。このほか、カリフォルニア州のサンディエゴとカルバーシティ、ワシントン州シアトルに新オフィスを設置する計画だ。

 AppleもGoogleと同じく、新社屋に約10億ドル(約1100億円)を投じる計画。テキサス州オースティンの敷地面積は約54万平方メートルと、東京ドーム11.5個分だ。

 Appleは現在、オースティンで6200人の従業員を抱える。この数は、本社であるカリフォルニア州クパチーノ以外の拠点としては最大だ。Appleは新社屋の建設に伴い、オースティンでまず5000人を新規雇用する。新社屋は1万5000人の収容が可能であり、将来はこの地で最大規模の民間雇用主になるとしている。

関連リンク:Appleの発表資料

Amazon、第2本社を東海岸の2カ所に設置

 これらの発表に先立つ2018年11月、西海岸のシアトルに本社を置く米Amazon.com(アマゾン)は、新たな拠点として「第2本社」をニューヨーク市と首都ワシントン近郊に置くと発表した。ニューヨークの拠点は、クイーンズ区のロングアイランドシティー。首都ワシントン近郊の拠点は、バージニア州アーリントンのクリスタルシティーとペンタゴンシティー、そしてポトマックヤードを含む地域である。Wall Street Journalによると、このうちAmazonが現時点で計画しているロングアイランドシティーの敷地面積は約37万~74万平方メートルだという。これは東京ドーム8~16個分に相当する。

 Amazonはこれら2つの第2本社で、それぞれ約2万5000人を雇用し、合計50億ドル(約5600億円)を投資する計画だ。加えて同社はテネシー州ナッシュビルのダウンタウンに「Center of Excellence」と呼ぶ物流施設も新設する。こちらでは5000人を雇用し、2019年中に稼働を始める予定だ。

関連リンク:Amazon.comの発表資料
関連リンク:Wall Street Journal

事業の多様化と激化する人材獲得競争が背景に

 現在、Amazonのシアトル本社の従業員数は約4万5000人である。同社は2017年、もう1つの本社をシアトル以外の都市に設置し、新たに5万人を雇用すると発表した。その経済効果に期待した自治体はこぞって誘致合戦に参加し、合計238件の応募が寄せられた。

 Amazonはなぜ、第2本社を設置しようと考えたのか。なぜ立地として、ニューヨークと首都ワシントン近郊という東海岸を選んだのか。

 同社は具体的なことを明かしていないが、それには2つの理由があると言われている。事業の多様化と激化する人材獲得競争だ。

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