連載主旨

 ものづくり、すなわち製品の設計・生産には、メーカーや製品に固有の専門技術(固有技術)が使われる。しかし、せっかく保有している固有技術を適切に使えていない企業は多い。技術の適切な使い方を十分に共有できていないことから、かえって問題が起っている場合もある。

 固有技術を適切に使うためには別のカテゴリーの技術が必要であり、これを汎用技術という。品質工学、FMEA(Failure Mode and Effect Analysis)、TRIZ(旧ソビエト連邦で生まれた問題解決理論)、FTA(Fault Tree Analysis)、DRBFM(Design Review Based on Failure Mode)などがその例である。

 QFD(Quality Function Deployment:品質機能展開)も汎用技術の1つであり、固有技術を二元表によって「見える化」するための手法である。多くの会社で導入されているにもかかわらず、残念ながら十分に効果を発揮しているとはいえない。固有技術を見える化できても、その技術を適切に使う上では役立っていないことが多い。

 本連載では、固有技術の「使える化」を実現する方法論「QFD-Advanced」を紹介する。名前から分かるように、「見える化」のための手法であるQFDをベースとして、固有技術を適切かつ効果的に「使える化」できるようにした。さらに、品質工学、FMEA、FTA、DRBFMなどのさまざまな汎用技術を組み合わせて生かすための仕組みにもなっている。

岡 建樹(おか・たてき)
ISIDエンジニアリング
写真 岡 建樹

理工系大学物理学専攻修了後、現コニカミノルタ(株)(旧ミノルタ)に入社。電子写真要素技術の開発、複写機やレーザービームプリンター、プロダクションプリンターなどの製品開発に従事。その後、情報機器開発部門で、QFDや品質工学などの手法を統合した開発プロセス工学(コニカミノルタの造語)の活用推進も兼務。2011年からコニカミノルタ(株)技術顧問。2016年から(株)ISIDエンジニアリング技術顧問。

奈良岡 悟(ならおか・さとる)
電通国際情報サービス
写真 奈良岡 悟

工学系研究科精密機械工学専攻修了。精密機器メーカーにて生産技術職に従事、要素技術開発や生産準備を多数経験。その後、(株)電通国際情報サービスにて、ITツール「iQUAVIS」を軸としたコンサルタント、エンジニアとして、電気・精密機器業界を中心に製品開発業務の効率化や不具合未然防止に向けた実務適用・定着支援を実践。製品開発業務の改革を目的とした知見整理・活用の仕組み構築や適用支援を推進中。