「データは新たな石油」「データは石油より貴重な資源」。こうした言葉を新聞やインターネット上で時折見かける。インターネットを検索してみると英エコノミスト誌が2017年にそう報じていた。もっとも2012年にも別の場所でこの言葉は登場しており、最初に使った人が誰かは分からなかった。

 貴重な資源は石油以外にもあるはずだが、なぜわざわざデータを石油に例えるのかと言えば、どちらも国家の競争力に影響すると主張したいからだろう。石油の場合、採れるかどうか、産油国と関係が良好かどうかによって国家間の勢力図が変わってくる。

 どのようなデータを確保すれば覇権国になれるのか。検討しようとしたが新年早々のお題としては難しすぎ、不適切である。もう少し気軽に石油とデータはどこが似ているのかを列挙してみたい。

資産価値と資産形成の方法を比較する

 まず、資産価値を考えてみよう。

  • 売れる:石油は売買でき、市場がある。需給に応じて時には国際政治によって価格が動く。データも内容によっては売買できる。今後データを取引する市場ができるという話もある。
  • 加工できる:石油から数々の化学品を作り出せる。データは物質ではないから化学変化は起こせないが複数のデータを組み合わせて価値を高められる。
  • 発電できる:環境への影響はさておき石油を使った火力発電所は効率よく発電できる。データでは発電できない。逆にデータを処理するために電気を大量に消費する。

 電気利用に注目するとデータが石油より価値があるとは到底言えない。それでは話が終わってしまう。困ったときはAI(人工知能)を持ち出せばよい。データをAIに学習させるとAIは賢くなる。賢いAIは発電に匹敵する価値を社会にもたらす。このように言い張ればデータの資産価値を石油のそれと並べられる。

 次に資産形成の方法を比べてみる。

  • 自然にできる:原油は自然物である。データは人工物である。ただし人間にセンサーを付ければ日々の行動データや健康データを集められる。人が生きていることそれ自体がデータを生むと言えるかもしれない。
  • 掘り出す:原油は掘り出さなければ使えない。データの場合、データから別のデータを掘り出すことができ、これをデータマイニングと呼ぶ。
  • 精製する:掘り出した原油は精製(リファイン)する。集めたデータは使いやすいように整える。これをデータクレンジングと呼ぶ。

 自分で書いていてこじつけではないかと思えてきたが強引に話を続けたい。

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