富士通とNECの社長がそれぞれ、日経 xTECH上で自社は大企業病だと反省の弁を述べていたが、2本のインタビュー記事を読んで違和感を覚えた。

 読者の中でこのインタビュー記事を読み、経営トップが「期待にほど遠い結果」あるいは「期待される分野に人を集めて投資もしてきた。ところがほとんど伸びなかった」と素直に語ってよいのか、などと思われた方がいたかもしれない。

 筆者がひっかかったのはそこではない。富士通とNECは果たして大企業病なのか。そういう疑問が浮かんだ。

 いや、何か勘違いしているのだろうか。まず言葉の定義を確認しようと広辞苑を引いたが「大企業病」は載っていなかった。インターネットを検索すると大企業病という言葉を作ったのはオムロンの創業者、立石一真氏であると出ていた。

「大企業病」という言葉を使った創業者

 オムロンのWebサイトに掲載されている「創業者物語 ~立石一真、挑戦の90年~」によれば、1983年の年頭、立石氏は次の指示をした。

 「大企業の仲間入りをした立石電機は、大企業病にかかっている。大死一番、意識革命に徹し、創業の精神に還り、徹底的分権により中小企業的な組織と簡潔な制度で活性化を図ることこそ、五十周年にふさわしい大仕事である。全員でこれに挑戦してほしい」

 「大死一番」という言葉を知らなかったが、こちらは広辞苑に出ていた。「たいしいちばん」と読むそうで、仏教の言葉であり意味は「一度死んだつもりになって奮起すること」である。

 1983年にオムロン(当時の社名は立石電機)は創業50周年を迎えた。この発言は話題になり、大企業病という言葉があちこちで使われるようになったそうだ。

 立石氏の発言を裏返すと大企業病の症状になる。創業の精神が失われ組織の階層が厚くなり、社内の制度が複雑になって意思決定が遅くなり活気が失われた状態を指す。処方箋は「全員」が「創業の精神」に還(かえ)る「意識革命」である。

 ちなみに立石氏は次の言葉を残している。

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