木村岳史がITベンダーの新事業を斬る! 共創十番勝負の野村総合研究所(NRI)編の第2弾は、コンサルティング部門の出身で2017年4月にSIなどを手掛けるソリューション部門に移ってきた立松博史執行役員に、NRIの共創や新規事業の方向性について聞いた。「コンサルティング機能を持つITベンダー」という日本では稀有な存在であるにもかかわらず、そのアドバンテージを生かし切れなかったNRIだが、はたして一皮むけてアクセンチュアなどを追撃できるか。

(聞き手は木村 岳史=日経 xTECH/日経コンピュータ

立松さんはコンサルタント部門の出身だと聞く。

 私は(リサーチ・コンサルティング会社だった)旧・野村総合研究所(NRI)の出身で、バックグラウンドはコンサルティング。2017年4月に旧・野村コンピュータシステム(NCC)の流れをくむソリューション部門に初めて異動してきた。つまり担当替えになったわけだ。

立松博史 執行役員 産業ITイノベーション事業本部 副本部長
[画像のクリックで拡大表示]

 私のようなIT畑ではない人間を、NRIとして一番伸ばそうとしている産業ITの分野に持ってきたことを私なりに解釈すると、社内のコンサルティング機能とIT機能の融合をこれまで以上に進めていかないといけないということだ。そうでないと顧客のニーズに応えられないからだ。

これまで長い間、旧NRIのコンサルティング部門と旧NCCのソリューション部門の融合が進んでいなかったと聞く。最近になって、コンサルティングとSIビジネスの真の融合を急ぐのは、ユーザー企業がデジタルビジネスやデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタルによるビジネス構造の変革)を志向し始めているからか。

 私も同じ理解だ。1988年に旧NRIと旧NCCが合併して誕生した新生NRIは当初「ナビゲーション&ソリューション」を掲げていた。経営コンサルティングを実施する中で、いろいろなシステム開発のご相談が出てくるはずだから、それをソリューション部門につなぐことで、一気通貫で顧客にサービスを提供できるだろうと考えたわけだ。

 実際に今まで、そういった案件もあったのだが、最近のデジタル革命のような話になると、まずコンサルタントがプランを作って、その後で要件を定義してシステムを開発するといったスピード感では、環境の変化に間に合わない。IT技術、デジタル技術がこれだけ進化してくると、逆に「この技術を使って何ができるのか」といった発想も必要になる。

 こうなってくると、コンサルタントとエンジニアが一緒になって考えていかないと、顧客のニーズにミートできない。そこで我々は、コンサルティングとITソリューションの融合を意味する「コンソリューション」という言葉を作って、いろいろな施策を打っている。

 そうした案件は増えつつある。もちろん、NRIから顧客に提案してデジタルサービスを立ち上げるという話もある。今回、共創のイチオシ事例として紹介した、JALと作った「どこかにマイル」はその典型例だ。不動産運用のケネディクスと共創した不動産クラウドファンディング「ビットリアルティ」のような不動産テックの事例もある。

コンサルタントの眼から見て、IT業界やNRIのSIビジネスの状況はどうか。

 おそらく(基幹系システムなどの)コーポレートITのボリュームはどんどん下がっていくし、パッケージソフトウエアの利用もどんどん進んでいくと思う。その意味ではNRIが従来得意としていたウオーターフォール型のシステム開発、顧客の要望を聞き入れて手組みで作り上げていく宮大工的なビジネスが伸びることはもうないだろう。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら