キーピッチの最適値は、先に紹介したユーザーテストの参加者約100人による結果。参加者は世界中の多様な人達で体格が異なる。戸田氏は「具体的な数値は公表できないが、体格が異なるユーザーでもちょうどいいキーピッチは19ミリに近い値になる」という知見を得たという。

モダンレイアウトでは、キートップ縦方向でも最適値に近いキーピッチを実現できた
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 E Inkキーボードはレイアウトを切り替えられるのが強み。Yoga Book C930では、言語対応で28種類を用意し、それぞれでクラシックレイアウトとモダンレイアウトが利用できる。さらに、キートップの色を黒と白に変更可能だ。

 キーレイアウトの切り替えには時間がかかるが、これはE Inkの反応が遅いのではなく安全に切り替えるためだ。キーボードデバイスはキーロガーにより入力情報を盗まれるなどのリスクを抱えている。そのリスクを減らすために、全てのキーレイアウトで電子署名を利用した暗号化を施している。レイアウトの切り替え処理では、電子署名を確認して暗号を復号する処理が伴うため、切り替えに時間がかかるという。

 戸田氏は、開発で苦労した機能として、消音(ミュート)やCapsLockなど特定機能の有効/無効を示す「アクティブ・インジケータ」を挙げた。「地味ながら便利。でも、開発も地味な苦労が多かった」(戸田氏)。高速なキー反応を維持するには余計なことに専用ハードのリソースを割きたくない。その中で、インジケーター機能にどこまでリソースを確保するかといった最適化が大変だったという。

地味に苦労したのがアクティブ・インジケータだった
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 タッチパッドの機能では、仮想デバイスとしてはこれまで例のなかった「Windows高精度タッチパッド」規格に準拠したことも戸田氏は訴求した。Windows 10でサポートするジェスチャー操作を利用できるようにしたが、「サイズの小さなタッチパッドならまだしもYoga Book C930に搭載したE Inkパネルサイズで高精度の制御を可能にするのはとても困難だった」と戸田氏は振り返った。