ハード制御の導入により、過密なタップ操作をしたときの動作や「フィンガーレスト(操作と関係なく指を置く動作)」の認識も安定した。これにより、タップに合わせてキートップが押されたようなアニメーション描画ができるようになったという。「E Inkと制御用ハードを直結し、描画演算の最適化と並列化を進めた。(E Inkメーカーではない)パートナー企業との連携によって実現した」(戸田氏)。

C930のE Inkキーボードでは、ハードウエアで制御する「KeyBoard Engine」を実装した。それまでのソフトウエア制御に比べて、大幅に機能が向上したという
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 ディスプレーに表示した仮想キーボードでよくあるのが「物理キーボードと比べてタイプした感触が分かりにくい。よって使いにくくなり、生産効率が下がる」という意見だ。戸田氏は、この問題を解決するために「タイピング生産性」の向上にも注力したと述べた。

 特に戸田氏が訴求したのは「次世代Ergonomic Virtual Layout」だ。Ergonomic Virtual Layoutそのものは2016年に登場したYoga BookのE Inkキーボードでも採用している。ユーザーがタイプする位置を学習することで、ユーザーごとに異なるタイプする位置のクセ(場所的な偏り)に合わせて最適なキーボードレイアウトをリアルタイムで調整する。

 レノボは、PCに対する経験に幅のある約100人をアジア、米国、欧州で集めてテストを実施。その結果によると、物理的なキーボード(レイアウトは調整できないし、クセの学習もできない)と比較して、旧Yoga BookのErgonomic Virtual Layoutではタイピング生産性が8%向上したという。

 Yoga Book C930のE Inkキーボードは、旧Yoga Bookから改良した。「ユーザーがタイプする位置を学習」「最適なキーボードレイアウトをリアルタイムで調整」に加えて、「ユーザーが“今”実施しているキータイプスタイルの予測」と「キータイプスタイルに合わせてキーボードレイアウト全体をリアルタイムに切り替える」ことが可能になった。「キータイプスタイル」とは、キーボードを見ないでもタイプできるタッチタイピングなのか、キーボードを見ながらタイプするスタイル(レノボ・ジャパンの資料では「一本指打法」と表記)なのかをいう。