SNS(交流サイト)で大ブームを巻き起こしている「ストーリー機能」をご存じだろうか。一言で表すと「メッセージや写真、動画を投稿すると24時間だけ表示する機能」だ。

 元祖とされるのは米スナップ(Snap)の写真共有SNS「Snapchat」である。2013年にストーリー機能をリリースした。これを米フェイスブック(Facebook)傘下の写真共有SNS「Instagram(インスタグラム)」が後追いして2016年8月に「ストーリーズ」の名称で開始したところ、世界的に利用が拡大。2019年1月に1日当たりの利用者数が5億人を突破した。フェイスブック ジャパンの2019年6月の発表によると、日本国内のデイリーアクティブアカウント(1日にサービスを利用したユーザー)の70%がストーリーズを利用しているという。

 若者世代だけでなく首相官邸や企業も使いこなしており、今のSNS事情を読み解く最重要キーワードの1つとなっている。「ITに関わるビジネスパーソンなら知らないと恥ずかしい」と断言できるほど大きな存在に成長している。

Instagramの「ストーリーズ」
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 Facebookは2017年3月に「ストーリーズ」の名称で、LINEは2019年5月に「ストーリー」という名称で同様の機能をリリースした。名称だけでなく、投稿や閲覧の方法もInstagramのストーリー機能によく似ている。

 大人世代はストーリー機能の投稿内容を目にする機会が少なく、ブームになっていることに気付きにくいかもしれない。ストーリー機能をよく利用しているのは若者が中心で、投稿内容を見るのは基本的にその友人だけ。しかも24時間で表示されなくなる。そんな大人世代には捉えにくいストーリー機能が大ブレークした背景と、Instagram、Facebook、LINEでの同機能の使い方を紹介しよう。

「インスタ疲れ」の若者のニーズを捉える

 なぜストーリー機能が大ブレークしたのか。ヒントとなるキーワードは「インスタ疲れ」だ。

 2017年のユーキャン新語・流行語大賞になった「インスタ映え」に象徴されるように、ある時期までInstagramはフォロワーから称賛されるような写真だけを投稿する場と認識されていた。そのうち利用者は、インスタ映えする写真や動画を投稿し続けて「いいね」の数を競うような空気に疲れ始めた。これがインスタ疲れだ。

 ともすればインスタ離れを起こしかねない状況のなかで、すっと受け入れられたのがストーリー機能である。投稿した写真や動画は24時間で消える。しかも「いいね」はダイレクトメッセージでの送信になり、他のユーザーには見えない。インスタ映えを気にしなくよく、日常の写真を投稿するのにぴったりだ。「友人と気軽に交流したい」というニーズに応え、若者を中心に急激に人気を高めていった。