小さいながら機能は充実

 渡部氏のアイデアは、製品の細部にわたって行き届いている。例えば、アラームの音量も大・中・小・オフと4段階に切り替えられる。防犯だが、音量が大1種類だけでは、あまり目立ちたくない、迷惑をかけたくないと考える人や、大きな音を鳴らしたくない場所では使いにくくなってしまう。

 「安心を買う製品」という渡部氏の言葉通り、ユーザーが安心できることが重要であり、そのために気軽に使えることが重視されている。

 また、使ってもらわないと意味がない製品なので、なるべく手軽に使えるようにと、さまざまな工夫が凝らされている。使う際には、まず、トレネの電源を入れ、スマホにアプリをダウンロードしたらスマホにトレネを登録。さらに、スマホとトレネがどの程度離れたら作動するか、音量、どの程度の振動で反応するか、といった初期設定が必要。しかし、この設定さえ行えば、基本的には後の操作がほとんど不要だ。

 電源は入れっ放しでも2週間は持つので、出掛けるときに電源を入れてバッグに放り込んでおけば、後は、使いたいときにパソコンやバッグなど、置き引きされたくないモノの上にトレネを載せて、スマホのアプリを起動して席を立つだけ。

 「なるべく操作しているといった意識なしに使えるようにしたいと考えた。だから、最初の設定以外は、スイッチ類も触る必要がないようにしたかった」と渡部氏。その意味では、電源ボタンも付けたくなかったのだそうだ。

 「長時間使わないときの過放電防止などもあって、主電源ボタンは必要だった。それでも、毎日使うなら基本的には電源を入れたままで、数日置きに充電すれば済む。他は気にせず使えるようになっている」と渡部氏。

 実際に使ってみると、スマホが近くにあれば作動せず、スマホが一定以上離れると自動的に作動するというスタイルは、本当に便利だ。まちがって自分でアラームを鳴らしてしまうことがなく、電源を入れずに席を立ってしまう失敗もない。スマホとトレネの距離の設定も、 実際に自分でスマホを持って動くことで設定できる。数値ではなく、体感距離で設定できるのも、ユーザーの気持ちを理解していると感じた。

電源は入れたまま持ち歩く。スマホがそばにあれば動作状態にならないので動かしても大丈夫
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離席の際に、荷物の上にトレネを載せる。カバンの上などに載せても使える。スマホがトレネから一定距離(設定可能)離れると自動的に動作状態になり、LEDが赤く点灯する
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