片方だけで使えるシングルイヤホンモード搭載

 前述の通りJaybird VISTAはカナル型イヤホンであり、そのため遮音性が高い。騒音を遮断して音楽を聴きやすい点がメリットになるが、ジョギング中に車の走行音などが聞こえないと危険だ。そうした利用シーンを想定し、Jaybird VISTAは左右どちらか片方のユニットだけで利用できる「シングルイヤホンモード」を搭載している。

 シングルイヤホンモードのときはモノラル再生に自動的に切り替わるので、ステレオ再生の片側だけを聴いているような違和感はない。安全に屋外を走るのに役立つだろう。通勤・通学時、車内アナウンスを聞き逃さないようにする目的にも使える。

 シングルイヤホンモードを実現した背景には、Jaybird VISTAで採用した独自の音声伝送技術がある。一般に完全ワイヤレスイヤホンは、左右どちらかのユニットをスマートフォンとBluetoothで接続する「マスター」に設定する。もう片方のユニットはスマートフォンと直接接続せず、マスターを介して音声データを伝送する。

 Jaybird VISTAは左右どちらのユニットも同じ機能を持ち、先に充電ケースから取り出したほうがマスターになる。もう片方のユニットはスマートフォンがマスターに送信する信号を横から拾って音声データを得る。両方を使っていて左右どちらかをケースに収納すると、残ったほうがスマートフォンと接続される。この仕組みにより、両耳によってステレオで聞く通常モードとシングルイヤホンモードがスムーズに切り替わる。

 ロジクールによると、遅延を短縮し接続の安定性を向上させるためにも役立っているという。YouTubeの動画を試聴した限りでは、ロジクールの完全ワイヤレスイヤホンの従来機種よりも遅延は少ないと感じられた。

スポーツに最適、普段使いもOKな万能イヤホン

 Jaybird VISTAは軽量コンパクト、良好な装着感、高い防水・防汗性能、長めの駆動時間、スマートフォンアプリによるカスタマイズ機能など、魅力の多い製品だ。ランナー向けのブランドだが、それに限らず広くスポーツ好きの人に向いている。まさにスポーツの秋にピッタリの完全ワイヤレスイヤホンだ。

左右のユニット本体のほか、ストラップ付きの充電ケース、サイズ違いのイヤーピース3セット、充電用のUSBケーブルが付属する
(撮影:スタジオキャスパー)
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 スポーツ以外でも、汗かきな人にとって耐久性の高いイヤホンとしてお薦めできる。音質も良好で通勤通学で使うような普段使いのイヤホンとして魅力的だ。スポーツから普段使いまで、用途を問わない万能な製品といえる。

 充電ケースのバッテリー容量の少なさが気にならなければ、2万円台前半で手に入る完全ワイヤレスイヤホンの中でお薦めできる製品だ。

湯浅 英夫(ゆあさ ひでお)
ライター
元ジャズミュージシャンのライター。PC、スマホ、ネットサービスなどIT関連を中心に執筆しつつ、たまにウッドベースやエレキベースを弾いている。音楽の守備範囲はジャズから古いソウル、ロック、AOR、MPBまで雑食。ジャズと楽器には少しうるさい。