描画遅延は28ミリ秒でストレスなし

 Supernoteの最大の魅力は手書きによる文字の書きやすさだ。反応速度と書き心地を両立させている。

 ディスプレーに専用ペンで手書きをするツールといえば、代表的なのはiPadとApple Pencilの組み合わせだ。反応速度を示す「描画遅延(ペンを動かしてから画面に描画されるまでの時間)」は20ミリ秒と小さく、ペンを動かすとほぼ同時に線が引かれる。ペンに対して遅れて反応しているという印象を感じさせない。

 Supernoteもペンの動きへの反応が速い。ラッタのWebサイトでは「手書き対応専用ICの搭載で28ミリ秒の低遅延を達成した」としている。iPad+Apple Pencilに肉薄する反応速度といえる。実際に打ち合わせでメモを取る用途に使ってみたところ、文字を書くのにストレスを感じるシーンはなかった。

 書き心地はアナログ文具と似ていて、「書く」という動作が持つ心地よさまで再現している。iPad+Apple Pencilの組み合わせと比較すると分かりやすい。iPad+Apple Pencilは書き心地がアナログ文具の紙とペンとは全く違う。ガラス製のiPadの「硬い表面」にApple Pencilの「軟らかいペン先」で書くからだ。

 これに対し、Supernoteは紙とペンの書き心地にかなり近い。「軟らかい表面」に「硬いペン先」で書くからだ。アナログ文具に例えると、極細の油性マーカーで書いている感触に近い。iPadよりも気持ちがいい書き心地だ。特に細かい文字を書きやすい。筆者は仕事の打ち合わせで「文字とイラスト」や「文字と図解」を書く機会が多いが、こうした用途にとても向いていると感じた。

iPad Pro(左)とSupernote(右)の比較。細かい文字はSupernoteのほうが書きやすい
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 Supernote A5の画面は、台湾E Ink Holdingsの電子ペーパー「Carta」である。表面が軟らかいフィルムになっているのが特徴だ。軟らかくとも強度は十分で、先のとがったもので意図的にたたかない限り傷はつかないという。

 本体に付属しているペンは、ラッタがワコムの技術を採用して開発した専用のスタイラスペンだ。ペン先は0.7ミリメートル、硬度は3Hと細く硬い。

Apple Pencil(上)とSupernote付属の専用のスタイラスペン(下)ではペン先のつくりが全く違う
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 この組み合わせが、書いていてとても気持ちいいのだ。文字を書いてみると特に実感する。指先にペン先を押し込むような抵抗があるので、画面を注視しなくても書けているのが感覚的に分かる。

 電子ペーパー表面のフィルムはさらっとしていて、指紋の跡が残りづらい。しかも手の側面が触れても画面が反応しないので、利き手の側面を画面につけて文字や絵を書ける。