ケースは充電機能を搭載しており、3回分の充電ができる。ノイズキャンセリング機能をオンにした状態なら、合計24時間使えることになる。10分の充電で90分の音楽再生ができる急速充電機能も備える。

 サイズは米アップル(Apple)の「AirPods」のようなコンパクトな製品に比べると、やや大きく重めだ。気になったのは、ケースの底が丸くて立てられないところ。机の上で置き場所を取らないよう、立てて置けるようにしてほしかった。

充電ケースの底は丸い。充電用端子はUSB Type-Cだ
(撮影:スタジオキャスパー)
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音の味付けは癖がなくきめ細か

 WF-1000XM3は「MP3データなどの圧縮音源をハイレゾ相当の音質にする」とうたう機能を搭載している。実際に聞いてみると、音はきめ細かさがあり、細かい部分までよく聞き取れる。

 低音域から高音域までバランスよく、低音域がドカドカうるさかったり、中音域にボリューム感がなくスカスカした音だったり、高音域がキンキンと耳についたりすることがない。

 どんな音楽ジャンルでも気持ちよく聴ける、良い意味で普通の音だ。低音や高音を強調したいのなら、アプリのイコライジング機能で調整できる。

 WF-1000XM3は上位機種にふさわしい音質、接続安定性、長い駆動時間を持ちつつ、完全ワイヤレスイヤホンでは数少ない強力なノイズキャンセリング機能を備える個性派でもある。防水対応ではないので、スポーツ時の使用には向かないが、電車や飛行機での移動が多い人や、オフィスで静かに作業に集中したい人にお薦めだ。

 価格だけを見ると、2019年7月19日に発売された米ビーツ・エレクトロニクス(Beats Electronics)の「Powerbeats Pro」と比較したくなるが、製品の性格は全く異なる。Powerbeats Proは耐汗性や激しい運動をしても外れないデザインなどが特徴のスポーツ向けの製品だ。WF-1000XM3はオフィスでの作業時や交通機関で移動するときに向く。どちらを買うかは、自分の使い方に合わせて選べば間違いないだろう。

湯浅 英夫(ゆあさ ひでお)
ライター
元ジャズミュージシャンのライター。PC、スマホ、ネットサービスなどIT関連を中心に執筆しつつ、たまにウッドベースやエレキベースを弾いている。音楽の守備範囲はジャズから古いソウル、ロック、AOR、MPBまで雑食。ジャズと楽器には少しうるさい。