「ウルトラモバイルPC(UMPC)」を覚えているだろうか。

 UMPCは、米インテル(Intel)や米マイクロソフト(Microsoft)が2006年に提唱した超小型PCの総称だ。今はこう呼ぶことは無くなったが、かつては日本メーカーをはじめ、様々なメーカーがUMPCを市場に投入しており、モバイルPCの中心的存在だった。

 しかしトレンドは、時代とともに変わっていく。モバイルPCは次第に高性能化、大画面化に向かっていった。現在のトレンドは、薄型軽量で12~14インチ画面のノートPCだと言えるだろう。高性能も特徴に掲げており、価格も10万円以上するものが大半だ。一方UMPCは製品が出なくなり、存在感が無くなってしまった。

 そんな中、2017年に突如クラウドファンディングで超小型PCの新製品が登場した。中国Shenzhen GPD Technologyの「GPD Pocket」である。7インチのディスプレーを搭載し、180×106×18.5ミリ、510グラムと小型軽量のノートPCである。UMPCというキーワードは使われなかったが、6万円程度(市販で購入した場合)と比較的安価なこともあって注目を集めた。

 その後さらに中国ONE-NETBOOK Technologyの「OneMix」(販売中)や、中国CHUWI INNOVATIONの「CHUWI MiniBook」(クラウドファンディング実施中)など、他メーカーからも超小型PCが登場。にわかに市場が盛り上がってきた。GPDは、CPUをより高性能なCore m3に変更したGPD Pocketの新機種「GPD Pocket 2」を投入している。より大きなサイズのノートPCと同じく、高性能化に向かったのだ。

 ところが、GPDが2019年6月に出してきた「GPD MicroPC」は、昨今のトレンドである大画面化、高性能化とは逆を行く製品だった。画面サイズは、GPD Pocket 2の7インチ(解像度1920×1200)よりさらに小さい6インチディスプレー(解像度1280×720)。CPUもGPD Pocket 2よりは下位になるCeleron 4100である。そこで今回は、なぜこうしたスペックになったのかを考えながら、GPD MicroPCをレビューしていく。

GPD MicroPC
(撮影:伊藤浩一、以下同じ)
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GPD MicroPC(左)とGPD Pocket(右)。いずれも超小型だがスペックは結構違う
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パッケージの同梱(どうこん)物
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