こうして筆者が出展したイベントのブースでは、2017年春からSquareによるクレジットカード決済(ただし対応するのはVisaとMastercardのみ)とヤマトフィナンシャルのレンタルサービスによる電子マネー決済に対応し、2019年春にはpixiv PAYによるQRコード決済にも対応した。

 なお、ヤマトフィナンシャルの電子マネー決済端末はバッテリーではなく家庭用のAC100Vで動作する。そのため、AC100Vコンセントを搭載したモバイルバッテリー(容量1万mAh)を用意した。キャッシュレス決済の導入で、レジ対応はサクサクとこなし、釣銭や現金の管理といったわずらわしさとは無縁になれる……と、期待していたのだが準備すべき機器が増えてしまった。

テーブル下にはACコンセントを搭載したモバイルバッテリーを設置。ここからマルチ電子マネー端末に電力を供給する
(撮影:長浜 和也)
[画像のクリックで拡大表示]

現場ならではの事情でキャッシュレスが使えないことも

 筆者が参加した「ゲームマーケット2017春」から「同2019春」にかけた5回の出展において、キャッシュレス決済の利用状況はどうだったか。

 まず、Squareによるクレジット決済は利用希望者がそれなりにいたものの、決済処理にSquare端末の認識から決済終了まで時間がかかる(特に利用者の“手書き”署名)こともあって、午前中の繁忙時間は利用を中止せざるを得なかった。ただ、現金がなくても購入できることから、手持ちの現金を使い果たした来場者や、現金があってもほかに買いたいものがある来場者に対して、筆者の頒布物の購入を促す効果があったのは事実だ。

 決済時間を考えた場合、最も手軽で短時間に終了するのは電子マネーだ。カードを端末に置くだけで支払いは終了する。列ができるほどに混雑した状況でこの効果は大きい。一方でiPadなどに導入したレジアプリとは連携しないため、価格など決済に必要な情報を端末が搭載しているテンキーで入力しなければならない。これが意外と手間であり、間違いも発生しやすいところが欠点だった。さらに、AC電源として使っていたモバイルバッテリーが大容量であったにもかかわらず午後の早い段階で枯渇してしまい、イベント終盤で使えなくなってしまった。

交通系電子マネーにはあまり高額をチャージしていない

 また、支払う側の意識的な問題もあった。今のところ「Suica」などの交通系電子マネーで支払うのは1000円未満の少額商品がほとんどであり、ゲームマーケットの頒布品価格でありがちな3000円や4000円といった支払いに使うのは抵抗がある来場者が多いようだった。そもそも、交通系電子マネーにチャージしている金額が1000円や2000円という来場者が圧倒的に多く、電子マネーは持っていても支払えない人もいた。「Apple Pay」や「Google Pay」と連携していればクレジットカードからのチャージは可能なのだが、そういう来場者は少なかった。