そして世界へ飛び立つビッグクラッピー

 5月の販売開始に先立ち、高橋社長は2018年1月に米ラスベガスで開催された家電見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」にビッグクラッピーを出品した。ユニークないでたちは海外でも目を引き、多くの来場者が立ち止まり、笑い、興味を示した。

 英国、米国など複数のバイヤーから「予約したい」と声がかかったが、「海外での販路がなく方法も分からなかった」ため、6月からKickstarterを通じてクラウドファンディングを展開することにした。「日本よりクラウドファンディングが浸透している米国では、これが海外へ打って出る最大の広告にもなる」(高橋社長)。

海外版は英語で話す(画像提供:バイバイワールド)
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 実は前述のパチパチクラッピーには、こんな裏話もある。2016年に中国の工場が日本の100円ショップ向け商品として、パチパチクラッピーとほぼ同じデザインで同じ動きをするおもちゃを、高橋社長に無断で製造するという事件が起きた。

 それを知った高橋社長は、サンプルを見て実際に現地の工場まで足を運んだ。「音はうちの製品の足元にも及ばないが作りが非常にうまくできていた。これで10分の1以下の価格。正直、感心してしまった」と笑う高橋社長。結局、訴えるどころか逆にその工場を仲介する商社とライセンス契約を結んでしまう。もちろん100円ショップにもその“もどき”は並んだ。

バイバイワールドのパチパチクラッピー(左)と、中国の工場が作ったパチパチクラッピー“もどき”(画像提供:バイバイワールド)
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 そして今年、“もどき”と同じ金型を使って“その工場”でバイバイワールドのロゴが入った「帰ってきたパチパチクラッピー」を製造し、発売を始めた。「技術力のある工場と縁ができたことで、今後新作おもちゃを作りやすくなった」(高橋社長)。一見とんでもない“パクリ”事件ですら、製造パートナー発掘に結び付いてしまった高橋社長の“運”の強さには、ただ驚くばかりだ。

 ビッグクラッピーも、リアルな拍手にこだわり続けてきた高橋社長が引き寄せた幸運が実を結び、誕生した。“ラッキーの権化”とも言うべき赤いロボットに「いつか招き猫に取って代わりたい。ビッグクラッピーはいるだけでその場が平和になる存在。幸せの象徴となってほしい」と希望を託す高橋社長。

 いよいよ世に出るビッグクラッピー。お値段34万8000円(税別)の赤い「招きロボット」は、さらに大きな幸運を高橋社長にもたらすかもしれない。

出典:日経トレンディネット、2018年6月8日
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