意外に難易度が高いホールでの講演

 ホールでの講演を録音する場合、ICレコーダーを置くのに適した場所がなくて困ることがある。仕方なく椅子の下や床の上に置くと、結構な確率で録音に失敗してしまう。試しに椅子の下で音を聞いてみれば分かるが、こもって聞こえるはずだ。そうした場所にICレコーダーを置くと、議事録作成も難しい音質で録音されてしまう場合がある。

 また、ICレコーダーを服のポケットの内側に入れて録音して、失敗する人も少なくないだろう。音がくぐもってしまううえに、マイクが服の布地にすれるノイズが録音されてしまう。

 録音する音声を現場で聞く音に近づけるには、マイクをきちんと露出させ、できるだけ耳と近い高さに置くように心掛けるのが鉄則だ。椅子にカップホルダーがあるならそこにICレコーダーを入れた方が、椅子の下や床に置くよりも良い音質で録音できる。その際、カップホルダーとICレコーダーの間にはハンカチを入れるなど、振動が伝わりにくくする工夫が要る。

 ICレコーダー本体にクリップが付属している機種であれば、それを使って胸ポケットの外側に引っかけておくのもいい。最初からクリップが付いている機種もあれば、本体に取り付けられる別売りのクリップが販売されている機種もある。

オリンパスの「VP-15」。胸ポケットに入れた使用シーンを想定し、本体にクリップが付いている他、本体と服がこすれた音を軽減する「こすれ音フィルター」を搭載
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オリンパスの「DM-720」に付属しているクリップを装着した状態
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 裏技的なのが、キャリングケースを使う方法だ。オリンパスが販売しているキャリングケース「CS150」には、上方向に開くフラップが付いている。フラップを胸ポケットに入れると、本体をポケットの外側にぶら下げて録音できる。オリンパスとしては想定外の使い方だそうだが、大上氏は「ピンマイクを使うのと変わらないからベストに近い方法かもしれない」と評価した。オリンパスの高級機である「DM-750」や「LS-P4」がこのケースを装着できる。

キャリングケースのフラップ部分を胸ポケットに差し込んでの録音も一つの手
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