大事な会議をICレコーダーで録音したが、いざ再生してみると誰が何を話しているのか聞き取れない――。こんな経験をしたことは無いだろうか。ICレコーダーできれいに録音するためのコツは意外に知られていない。今回は、悪条件であっても議事録作成に十分な音質で録音するノウハウを紹介する。

筆者の私物であるオリンパス「DM-720」。すでに生産を終了した一世代前の製品だが、インタビューをはじめとする取材で活躍している
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 昨今はスマートフォンにも録音機能が搭載されているが、通話やメールの着信で録音が途切れることがある。ビジネスシーンで利用するなら、やはり専用のICレコーダーの方が安心して使える。

 ただ、ビジネスでは意外にシビアな環境での録音が必要になる。よくある例が「多人数が参加する会議」「周囲が騒がしいカフェでの打ち合わせ」「ICレコーダーを置く机が無いホールでの講演」といったシーンだ。

 そうした難しい状況での録音テクニックについて、ICレコーダーで国内トップシェア(BCNによる2018年の調査)であるオリンパスの大上裕二技術開発機能 映像開発 映像商品企画 企画2マネージャーに聞いた。大上氏はオリンパスでICレコーダーの開発に20年以上携わってきており、ICレコーダーを使った録音に詳しい。

 今回はオリンパスへの取材を基に記事を作成しているため、設定の項目名などはオリンパス製品の表記に準じているが、録音テクニックはどこのメーカーのICレコーダーでも応用できるはずだ。

人数の多い会議ではシーン設定と置き場所に注意

 人数の多い会議で録音する場合は、ICレコーダーのシーン設定と置き場所に注意するといい。

 主要メーカーのICレコーダーには、録音シーンを選択する機能がある。オリンパスの製品では、設定メニューの中に「録音シーンの選択」があり、「講義」「会議」「商談」「口述」といった項目が選択できる。項目を選ぶと、録音感度やノイズ軽減などの設定が最適化される。

オリンパスをはじめ、主要メーカーの製品はシーン別の設定が用意されている。これを活用すれば失敗の少ない録音が可能
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 何人も参加する会議では「会議」を選択する。このシーンを選ぶ最大のポイントは、「録音レベル」が「オート」になることだ。会議での小さな声と大きな声ができるだけ同じ音量になるように自動調整されるので、ICレコーダーから遠い位置に座った人の声もきれいに録音できる。ソニーやパナソニックといった他社の製品にも同様の機能がある。