仮想世界では上下左右を見渡せる。さらに5人の参加者は全員マイク付きのヘッドセットを装着しており、互いの声や、時には悲鳴まで聞こえてくる。非常に臨場感がある。

 特に、アバターの動きが自分の身体感覚とシンクロするのに驚く。立つ、歩く、座る、手を挙げるなど、自分の動きがアバターにしっかり反映される。こうなると仮想世界に一気に没入できる。

立つ、歩く、座る、手を挙げるなど、自分の動きがVRのアバターにリアルタイムで反映される
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 制約は、現実世界の四角いスペースから出ないこと。それだけだ。動ける範囲は仮想世界でも分かるようになっている。

 体験時間は約15分。その間は、参加者が仮想世界で自分の思うままに自由に過ごしていい。

 まだ始まったばかりだが、ふと「これがダンス作品?」と思った。筆者を含む5人はゴツゴツとした壁に囲まれた洞窟の中をさまよっているだけ。誰も踊っていない。辺りを見渡しても、どこにも出口は見当たらない。踊りどころではなさそうだ。

 すると突然、洞窟の壁が持ち上がり、視界が少し開けた。筆者が洞窟だと思っていたスタート地点は、実は大きな岩の中の空間だった。

 最初のサプライズはここから。巨人の男が岩の隙間から、中をのぞき込んできた。5人は大騒ぎである。

岩を持ち上げ、参加者5人が閉じ込められていた洞窟をのぞき込む巨人。これには5人全員が驚く。後方に荒涼とした大地が広がっているのが見える
(出所:スパイラル)(C)Cie Gilles Jobin
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