保護者はフィルタリングサービスの設定を学ぼう

 ルールで触れたフィルタリングサービスに実効性を持たせるには、保護者がサービスの内容や使い方を押さえておく必要がある。前出の「平成30年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、フィルタリングサービスを使っている保護者は36.8%にとどまる。

 実は、2018年2月に改正された「青少年インターネット環境整備法」で、ユーザーが18歳未満の場合は携帯電話ショップでフィルタリングサービスの設定をしてから渡すことが、携帯電話事業者に義務付けられた。だが、この義務には「保護者が拒否すれば設定する必要はない」という例外がある。フィルタリングサービスが何かよく分からない、使い方がよく分からないといった理由で拒否している保護者が少なくないのかもしれない。

 フィルタリングサービスの内容について、サービス提供者に起因する混乱もあった。2019年3月末、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)の事業終了に伴って、LINEのAndroid端末向けアプリがフィルタリングの制限対象になった。あくまでもEMA解散の影響であり、LINEアプリに問題が起こったわけではない。

LINEの公式Twitterに掲載されたお知らせ
(出所:LINE)
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 前述したように、LINEは学校生活の必需品になっている。LINEを使うため、フィルタリングサービスごと外してしまう家庭もあったと考えられる。個別にアプリを許可することも可能だが、保護者が管理画面で設定する必要がある。

 現状、フィルタリングサービスを使いこなすには、保護者に設定画面を操作するITリテラシーが求められる状態になっている。サービス側の問題もあると思うが、子供を守るにはそうも言っていられない。保護者がフィルタリングサービスの設定方法を学習したほうがいい。

 保護者がお手本にならないとルールの説得力がなくなる。保護者が深夜までスマホをいじっているようでは、子供に夜10時以降のスマホの利用を禁止するルールを守らせるのは難しい。保護者自身のスマホの使い方も、使い過ぎ予防機能などを使って見直そう。

 何かあったとき、保護者が最初の相談窓口になれたほうがいい。そのとき、保護者が用語や機能を理解できないと、子供からすると相談しづらい。保護者もLINEを使ったり、子供に人気のアプリやサービスを少し触ってみたりしておくと、子供の悩みを理解しやすくなる。

鈴木 朋子(すずき ともこ)
ITライター・スマホ安全アドバイザー
ソフトウエア開発会社のSEを経てフリーランスに。SNSやアプリなどスマートフォンを主軸にしたサービスを行っており、書籍や雑誌、Webに多くの記事を執筆。スマホネイティブと呼ばれる10代のIT文化に詳しい。All About(オールアバウト)iPhone・SNSガイドも務める。著作は『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)、『今すぐ使えるかんたん文庫 LINE & Facebook & Twitter 基本&活用ワザ』(技術評論社)など20冊以上。