親子で話し合って利用ルールを決める

 保護者が不安になる話ばかりを並べたが、スマホやLINEに一切触れさせないのは考えものだろう。今後、ますますスマホやSNSを活用する機会は増えていく。それらを使いこなす機会を奪う必要はない。

 筆者は家庭でスマホとLINEの利用ルールを策定することをお勧めしている。大切なのは、必ず子供と話し合って決めることだ。スマホを持たせる前に保護者が一方的に決めたルールだと、うまく機能しない。

 子供はスマホを是が非でも欲しい。そのため、スマホを手に入れるまでは、スマホを持ちたい気持ちが優先している。保護者が一方的に決めたルールでも文句を言わずに受け入れがちだ。だが、実際にスマホを使い始めると、必ずルールを破る日が来る。そのとき、「保護者が子供に押しつけたルール」だと、反発心からルールが形骸化しがちだ。

 話し合いをしておけば、子供がルールを破ったときに「自分(子供)も一緒に決めたルール」だと思い出させることができる。また、スマホに関しては家族で考える問題だという姿勢も示せる。スマホは親が貸与しているものであり、子供が勝手に使える所有物ではないと自覚を持たせておくことも大切だ。

 以下に、スマホとLINEの利用ルールの例を示す。時間や内容は家庭の考え方や環境によって調整して、オリジナルのルールを作成してもらいたい。すでにスマホを持たせている家庭でも遅くはない。今からでも話し合ってみよう。

  • スマホの利用時間は夜10時までにする
  • スマホはリビングで使用する
  • スマホのパスコードを親に共有し、他の人には教えない
  • 知らない人にLINEのアカウントを教えない。もし知られても会いに行かない
  • 個人情報が分かるような画像、動画をアップしない
  • 有料コンテンツの購入など、お金がかかるときは相談する
  • 人の文章、画像、動画を許可を得ずに使わない
  • 人を傷付けるような言葉を使わない
  • フィルタリングサービスを使う。外す時期は親と相談する
  • 困ったときはすぐ親に相談する

 話し合いをするには、保護者側にも準備が必要だ。なぜそのルールを守る必要があるのか、ルールを守るには何をすればいいのかが分からないと、ルールの納得感が薄れてしまうし、実効性が乏しくなってしまう。

 最も危険なリスクである「犯罪に巻き込まれる」については、犯罪者は子供の油断を突いてくることをきちんと説明すべきだ。

 ほとんどの子供は、いかにも危ない人にはわざわざ近づいていかない。過去の犯罪例を見ても、犯罪者は年齢や性別を偽って油断させる。同性になりすましたり、同じ年ごろになりすましたりするのだ。そして「共通の趣味を持っている」などと言って、優しく話しかけてくる。時には、有料のLINEスタンプをプレゼントしてくれることもある。

 加害者はそうして信頼関係を築いてから、犯罪に及ぶ。ルールの例にある「知らない人にアカウントを教えない。もし知られても会いに行かない」を徹底するには、こうした背景も子供にきちんと説明するようにしておきたい。