バイトダンスは後発だが、2017年11月にmusical.lyを買収し、2018年8月に2つのサービスを統合した。これにより、musical.lyのユーザー基盤があった北米、中南米、欧州、中東、アフリカ、アジアへと規模を拡大した。

TikTokとmusical.lyのロゴ
(出所:バイトダンス)
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強みは若者にマッチしたスピード感のあるUI

 TikTokが2017年9月に登場した段階では、数ある動画共有SNSの1つにすぎなかった。そこから抜け出せたのは、ユーザーインターフェース(UI)の良さにあると筆者は考えている。TikTokの使い勝手はスマートフォンに最適化されており、操作のスピード感は若者の感覚にぴったりマッチしている。

TikTokのおすすめ動画の画面。右側の5つのボタンは上から順に投稿者プロフィール画面への遷移、「いいね」、コメント投稿、シェア、動画で流れる楽曲の確認
(出所:バイトダンス)
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 TikTokのアプリを起動すると、いきなり「おすすめ」動画の再生が始まる。何も操作しないと、動画は繰り返し再生される。画面を軽く上に向かってフリックすると、次の動画の再生が始まる。下に向かってフリックすると、前の動画に戻る。面白いと思えば何度も見ることができ、つまらなければ一瞬で次の動画へと飛ばせるのだ。

 人工知能(AI)を駆使して、ユーザーの好みに合うおすすめ動画を表示するのもTikTokのUIの特徴だ。同社はユーザーがどの動画を長く閲覧したか、どの動画に「いいね」を押したのか、どんな検索をしたかといったデータを収集している。このデータに基づいて、ユーザーごとにパーソナライズしたおすすめ動画を表示する。

 このレコメンド技術はバイトダンスがニュースキュレーションアプリ「Toutiao(今日頭条)」によって培ったもので、ユーザー一人ひとりのTikTokの利用時間を増やすことに成功している。

 このほか、時折「いいね」が1つもない新規ユーザーの動画がおすすめに表示される。ユーザーにとって新鮮な動画を勧めて、飽きられないようにしているのだ。これは投稿者が突然スターダムにのし上がるチャンスも生み出している。