若者は情報を早く確実にシェアしたがる

 スクショは早く確実に情報をシェアできる手段であることも見逃せない。例えば、リンク先(URL)はタップ(クリック)されない可能性がある。だが「画像なら絶対に見る」と信じられているようだ。みんな経験していることだと思うが、URLでシェアされた記事は、時間があるときに読もうと思いつつも、多くは見ないまま忘れ去られる。相手に「絶対に見てほしい」、しかも「今すぐ見てほしい」ときは、スクショで送るのが有効である。そのことに若者は気付いている。

 スクショであれば、自分が伝えたい箇所だけ切り取って送ることも可能だ。特にある記事の特定箇所に注目してほしいときは、URLでのシェアだと「見出しの3つ目を読んで」などと、記事の場所をわざわざ指定しなければならない。しかしスクショなら、該当箇所だけ切り出して画面を送ればいいので、非常に便利だ。理にかなっている。

 そこから派生して、「長文をスクショで相手に送る」という若者ネット文化まで生まれている。以前取材した女子高生は、筆者からの質問への回答をiPhoneのメモアプリでまとめ、読みやすく改行や見出しまで入れた画面をスクショで送ってきた。パソコン世代の筆者からすると驚きの行為なのだが、「長文はスクショで送る方が親切」と彼女は捉えているようだ。文字が画像に埋め込まれていることが当たり前の世代は、テキストデータが必要になることが少ないのだろう。

 若い世代はスクショが持つ多くのメリットを知っており、最も早く効率的に情報をシェアする方法として多用している。スマホネイティブの若者の考え方や行動様式は、パソコン世代とは明らかに異なる。スクショに対する捉え方はその代表といえる。何でもスクショして画像でシェアするというのは、スマホネイティブの若者にしてみれば、ごく自然な行動なのだ。

 ただし、これはスマホ利用を前提にした話。パソコンを使っていれば、URLで共有した方が何かと便利だ。スマホネイティブ世代が社会人になって、日常的にパソコンを使うようになったとき、コピペのメリットを初めて知ることになるのかもしれない。

鈴木 朋子(すずき ともこ)
ITライター・スマホ安全アドバイザー。ソフトウエア開発会社のSEを経てフリーランスに。SNSやアプリなどスマートフォンを主軸にしたサービスを行っており、書籍や雑誌、Webに多くの記事を執筆。スマホネイティブと呼ばれる10代のIT文化に詳しい。All About(オールアバウト)iPhone・SNSガイドも務める。著作は『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)、『今すぐ使えるかんたん文庫 LINE & Facebook & Twitter 基本&活用ワザ』(技術評論社)など20冊以上。