文字列をコピペする機会がない

 なぜURLのコピペをしないのか。スマホのWebブラウザーでURLをコピーし、LINEのトークへ貼り付ける手順を娘に見せたところ、「面倒臭い」の一言が返ってきた。それでもコピペ操作を教えてみると、ある事実に気付いた。彼女は文字列を選択し、コピーしてペーストするという操作に慣れていない。スマホの使い過ぎと親である筆者に叱られるほど、彼女はスマホのヘビーユーザー。なのに、文字列をコピペする機会がほとんどないようだ。

 背景には、若い世代はWebブラウザーをあまり使わないという実態がある。TesTee(テスティー)は2018年11月に「【スクショ解析】スクリーンタイムに関する調査(https://lab.testee.co/screen-time)」を公表した。この調査はスマホアプリの利用時間が分かる「スクリーンタイム」というiPhoneの機能を利用し、全年代の男女686人にスクリーンタイムのスクショを送付してもらう形で実施した。利用時間の上位3つに入るアプリを集計し、名前が出たアプリを年代別にランキングにしたのが以下の表だ。

年代別に、利用時間の上位3つに入るアプリを集計したランキング
出所:TesTee(テスティー):https://www.testee.co
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 20代と30代以上の人は、Webブラウザー(Safari)が2位に大差を付けてダントツの1位だった。20代と30代以上の大多数の人にとって、Webブラウザーは利用時間の上位3つに入るほど、使用頻度が高いスマホアプリである。これに対し、10代の上位はYouTube、LINE、Instagramが占める。Safariは4位。利用時間のトップ3に入るほど、Webブラウザーを頻繁に使う10代の若者は3割強しかいない。10代の人はファッションやコスメの情報はInstagram、好きなアーティストやゲームの情報はTwitterで検索するといった使い方をしているようだ。

 動画アプリやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)アプリはコンテンツをワンタップでシェアできるボタンを用意している。だからURLや投稿内容をわざわざコピペする機会がほとんどない。

 シェアボタンが付いていない場合も、スクショを使う方が手軽だ。iPhoneであれば、2つのボタンを同時に押すだけでスクショが撮れて、スマホの写真アプリに自動的に保存される。何度も画面をタップしたりドラッグしたりする必要がなく、コピペするよりもずっと手軽だ。しかも、いつでもすぐに参照できる。たくさん撮影しても日付順に整理されているため、後から探すのも難しくない。若い世代にとって、スマホで見つけた情報はスクショで保存するのが自然なのである。

 コピペよりもスクショの方が楽というのは、パソコン世代である筆者にとってはちょっとした異文化体験だった。パソコンでスクショを撮るのは「プリントスクリーンキーを押してクリップボードにコピーし、画像ソフトで作成した新規ファイルに貼り付けて…」とそれなりの知識が必要だった。パソコン世代が画面キャプチャーやスクリーンキャプチャーと呼んでいた機能はスクショに変わり、若い世代が簡単かつ手軽に、そして1日に何度も利用する機能になった。