会場でスマホを貸し出し、仲間外れを作らない

 ただし、どんなに観客が協力的でも「スマホがWi-Fiにつながらない」「特設サイトにアクセスできない」といった現象は起こり得る。そうなれば、その人はアンケートシステムに参加できず、会場で孤立してしまう。目の前にいるPerfumeと交流できない。それはあってはならないことだ。

 そこでドコモは当日、会場の入り口近くに専用カウンターを設けて、スマホを忘れた人やWi-Fiにつながらない人、そもそもスマホを使っていないガラケー利用者などには、スマホの貸し出しまで実施した。非常にアナログな話だが、こうしたオペレーションが実は最も重要なファンサービスなのだ。

 今回はファンクラブ会員だけのイベントなので、カウンターで会員証を提示すれば、スマホを現地で借りることができた。一夜限りのイベントに、そこまでコストをかけて対応している。実際、1200台ほどのスマホが貸し出されたというから、カウンターはあって良かったわけだ。もしカウンターがなければ、つながらないファンは途方に暮れていただろう。

スマホを持ってこなかった人やガラケーを使っている人などには、会場の入り口近くでスマホを貸し出した。アンケートシステムに参加できないファンが1人も出ないように気を配った
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 こうしてアンケートシステムの準備が整い、ファンとの交流イベントがスタートした。今回のライブ中、スタッフで最も緊張していたのはアンケートシステムの担当者だったのではないか。本当に1万2000人のスマホがWi-Fiに同時接続できるのか、アンケート結果が瞬時に集計されてスクリーンにきちんと表示されるのか、ドキドキの連続だったはず。ちなみに5Gは、スマホがWi-Fiにつながった後の通信の一部に利用していたという。

 実はこのアンケートシステムは、Perfumeのライブでは定番になっている観客への質問コーナーをデジタル化したものといえる。普段だとPerfumeの3人が会場に向かって「男子」「女子」と声を掛け、ファンは手を上げたり声を出したりして反応する。年代なら「10代」「20代」・・・「70代」といった具合に聞いていき、70代で手を上げた人がいれば、Perfumeが「いたー、来てくれてありがとう」といった感じで、会場とキャッチボールする。

 こうしたやりとりをシステムに置き換えたと考えると分かりやすい。例えばアンケートシステムでも同じように三択で、「男子」「女子」「それ以外」と尋ねる。それに対してファンはスマホから回答を選択。するとすぐに集計されて、結果がスクリーンに円グラフで表示される。「それ以外」が結構いたりすると、「どんな人?」みたいにPerfumeが笑いにつなげる。

1万2000人の観客がスマホで回答した結果が、瞬時に集計されてステージのスクリーンに映し出される。誰がどの回答をしたのかが座席単位で特定できる
(出所:NTTドコモ)
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