フリフラは小さな「ライトセーバー」とでもいうべきスティック型だが、今回はさらにスティックにかぶせて使うPerfumeとFP、docomoのロゴが入った三角すいのカバーまで用意。それを一夜限りのカウントダウンイベントのためだけに、1万2000人に配布した。ドコモの気合の入り方は半端ではない。ネットワークの設営を含めて、一晩で億単位の投資である。

 それほどのコストをかけてまで、ドコモがカウントダウンイベントに臨んだのには訳がある。2020年の東京五輪も見据え、1万人規模の観客がいるライブ会場や、大みそかや初詣の人たちでごった返す渋谷のスクランブル交差点を「貸し切って」設営するサテライト会場と横浜を5Gの通信でつなぐチャンスなどめったにないことだ。大みそかだからこそできる、大規模な社会実験である。この機会を逃すわけにはいかない。

横浜アリーナに詰めかけた1万2000人のファン全員に配布した、スティック型のLEDライト「FreFlow(フリフラ)」。無線制御で色を一斉に変えられる。スティックにかぶせて使うPerfumeのロゴが入ったカバーも用意
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 ただ、フリフラやPixMobだけなら、今どきのライブ演出としては珍しくない。そこでドコモはライブ映像や音声とともに、演出として使う「光」のセンサー信号などの大容量データを横浜アリーナから渋谷交差点に遅延なく、5Gも使いながらリアルタイムで伝送。「離れた場所でもライブ会場と同じ一体感やカウントダウンの瞬間をPerfumeと共有できる体験を、最新のテクノロジーを使ってアップデートすることにチャレンジした」。今回のイベントをドコモに提案した、電通の菅野薫エグゼクティブ・プロフェッショナル(役員待遇)CDC/Dentsu Lab Tokyo エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターは、そう説明する。

左から、電通の菅野薫氏、ライゾマティクスの真鍋大度氏と石橋素氏
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 菅野氏といえば、2016年のリオデジャネイロ五輪閉会式における「東京2020 フラッグハンドオーバーセレモニー」を成功させた演出メンバーの1人である。同じく、Perfumeのライブ演出を取り仕切るMIKIKO氏もリオ五輪閉会式メンバー。そしてライゾマはテクニカルディレクションとして、リオ五輪閉会式に関わっている。ある意味、国内最高峰の布陣でこの日のライブは運営されていた。もちろん、最後に全てを背負うのはPerfumeの3人である。

「その瞬間を共有せよ。」で用意したシステムの概要。横浜アリーナと渋谷のスクランブル交差点に設置したサテライト会場を5Gなどでつなぐ
(出所:NTTドコモ)
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