「食」に関わる様々な課題をITで解決するフードテック。いち早く事業化しようと日本でも動きが活発になってきた。

 「日本においては食の供給はもう十分で、しかもどんな食も『おいしい』が当たり前になっている。だからこそ日本の出番だ」。ユーグレナなどを立ち上げた実績を持ち、起業支援を手掛けるリバネス(東京・新宿)の丸幸弘グループCEO(最高経営責任者)はフードテック関連イベント「Foodtech Venture Day」の講演でこう力を込めた。

リバネスの丸幸弘グループCEO(最高経営責任者)
(写真:高下 義弘、以下同じ)
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必要なのはエコシステムとコラボレーター

 同イベントは経営とITのコンサルティングを手掛けるシグマクシスがリバネスと共同で2019年6月19日にシグマクシス本社で開いた。投資家やフードテック分野の起業家、一般企業の事業担当者や研究開発者などを引き合わせて、情報交換や協業推進を促すことが目的だ。今回は約90人が詰めかけた。

 フードテックは人間の基本活動である「食」に関わることもあり、期待の事業領域として急速に認知度が高まっている。シグマクシスの田中宏隆ディレクターは、「世界規模で見渡しても、特にホットな事業領域がフードテックだ」と強調した。

 特に最近はSDGs(持続可能な開発目標)への注目を受けた形で資金が投下される傾向が強まっているという。田中ディレクターはフードテック分野のイベント「スマートキッチンサミットジャパン」の主催メンバーで、日本でいち早くフードテックに着目した1人である。

 伸び盛りのフードテック分野でこれから求められるものは何か。リバネスの丸グループCEOは「エコシステムとしての創造だ」とした。

 「フードテック関連のプロダクトやサービス、スタートアップに対して個別に投資するより、その周辺にも同時に投資してエコシステムとして機能させたほうが、“本領”を発揮しやすく、キャッシュ(収入)にしっかりつながる」。こう話した丸グループCEOはユーグレナのケースを挙げつつ、「個々を取り巻くエコシステムが育つように投資・育成していけば、より大きな規模の価値創出を期待できる」と続けた。

 エコシステムを見据えると、「フードテック分野では今後、(エコシステムを企画運営する)『コラボレーター』として振る舞える人材や企業が大切になる」とした。「日本の大企業の役割もますます重要になる。ベンチャー、ベンチャーキャピタル、大企業。これら全てのプレーヤーがそれぞれの役割を果たしていくことが求められる」(丸グループCEO)。

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