日本と米国の商習慣で最も異なるのが返品だ。米国の消費者は日常的に商品を返品するため、小売店にはいつも返品する客の行列ができているほどだ。返品の利便性では小売店に後れを取っていた米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)だが、ここにきて巻き返しを図っている。日本からは分からないアマゾンの姿を紹介しよう。

返品の送料がかかるアマゾン

 米国ではほとんどの小売店が、購入から一定期間内であれば無条件で商品を返品できるようにしている。大手スーパーの「Walmart」や「Target」では購入から90日以内の返品が可能で、ディスカウントストアの「Costco」なら電化製品を除くほとんどの商品をいつでも返品できる。

 返品理由は一切問われない。そのため米国の消費者はびっくりするほど気軽に返品する。贈り物にも「値段の記載されていないギフト用レシート」が同封されるのが一般的であり、クリスマスの直後は返品の行列が1年で最も長くなるという。米国の小売店にとって返品のしやすさは、消費者対応として欠かせないものになっている。

 アマゾンも商品の到着後30日以内であれば理由を問わずに返品できるようにしているが、利便性では店舗を構える小売店に後れを取っていた。アマゾンの倉庫までの送料は、原則として顧客が負担する必要があるためだ。

 返品に当たってのパッケージングも悩みの種だ。商品が送られてきた際の箱を廃棄してしまった場合は、適当な箱を探して緩衝材などと一緒にパッケージングしなければならない。当たり前だが、小売店の店舗で返品する場合は送料がかからず、パッケージングも必要ない。

 アマゾンは現在、返品の利便性を意外な方法で改善しようとしている。一つがピックアップ拠点「Amazon Pickup Location」の展開だ。Pickup Locationはその名の通りオンラインで注文した商品を受け取れる(ピックアップできる)場所なのだが、同時に返品が送料無料で可能なのだ。

 実際にシリコンバレーの南部、サンノゼのダウンタウンにあるPickup Locationに行ってみた。

サンノゼにある「Amazon Pickup Location」
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Pickup Locationの内部には有人カウンターもある
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