米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)は「Alexa(アレクサ)」を、単なる音声アシスタントから「アンビエントコンピューティング」のOSへと進化させようとしている。2018年9月20日(現地時間)に米シアトルで開催した新製品発表会では、ハードウエアだけでなくAlexaの機能や開発ツールに関する発表も数多くあった。

 アンビエントコンピューティングとは、自宅やオフィスなどの環境(アンビエント)そのものがコンピュータとなり、ユーザーがいつでもどんな方法でも情報にアクセスしたり、環境の中にある様々なデバイスを自由に操作したりできるようになることを指す。発表会に登壇したAmazonデバイス&サービス担当シニア・バイスプレジデントのデイブ・リンプ(Dave Limp)氏は、「Alexaはアンビエントコンピューティングだ」と明言する。

 Alexaのコンピュータ本体はアマゾンのクラウドに存在し、ユーザーインタフェース(UI)が「Echo」スピーカーや電子レンジ「AmazonBasics Microwave」、スマートテレビなどに埋め込まれている。ユーザーがAlexaと呼びかけると、様々なUIを通じて1つのコンピュータにアクセスできる。UIは音声だけに限らない。アマゾンは2017年にディスプレー付きの「Echo Show」を発売しており、画面やタッチ操作もAlexaが提供するUIの1つになった。

画面が大型化した第2世代の「Echo Show」
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Alexaが自宅を警備してくれる

 自宅という環境そのものがコンピュータになったイメージを体感できる機能が、今回発表した「Alexa Guard」だ。これはユーザーが外出時に「Alexa、これから出かけるよ」と言っておくと、Alexa搭載のEchoスピーカーが防犯センサーになるというもの。ガラスが割れる音をマイクが検出したり、スピーカーの新製品「Echo Plus」が搭載する温度センサーが異常な高温を検出したりすると、警報を発する仕組みだ。ホーム・セキュリティ・サービスの米ADTと契約している場合は、同社のセキュリティセンターに警報が届く。

Alexaが自宅を警備する「Alexa Guard」
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 Alexaからコントロールできる照明器具が自宅にある場合、ユーザーの留守中にAlexaがランダムに照明をオンにしたりオフにしたりする。あたかも自宅に誰かがいるかのように見せることで、防犯効果を高める狙いだ。

 今回発表した新機能の「Location-Based Reminders」も、自宅がコンピュータになった感覚を味わえる。これはユーザーの場所をトリガーにしたリマインダーを設定できる機能。外出中に「Alexa、家に着いたら鶏肉を解凍するようリマインドして」などとスマートフォンや車載端末のAlexaに話しかけると、自宅に着いたタイミングでEchoスピーカーがリマインドを音声で知らせてくれる。

 「Multi-Room Music(MRM)」も面白い。自宅などに複数のAlexa対応スピーカーがある場合に、それらのスピーカーで同時に同じ音楽を再生できる仕組みだ。ユーザーは家の中のどこに移動しても、同じ音楽をシームレスに聴ける。自宅全体ではなく「リビングルーム」などの単位でスピーカーをグループ分けし、グループ単位で音楽を再生することもできる。

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