シリコンバレー生誕の地がどこかご存じだろうか。デビッド・パッカードとウィリアム・ヒューレットが米ヒューレット・パッカードを起業したパロアルトか、それとも米インテルの本社があるサニーベールか。正解は、ショックレー半導体研究所がオフィスを構えたマウンテンビューだ。

 IEEE(米国電気電子学会)は2018年8月15日(米国時間)、トランジスタの発明でノーベル物理学賞を受賞したウィリアム・ショックレー氏が1956年にショックレー半導体研究所を設立した場所である「391 San Antonio Road, Mountain View, CA」を「シリコンバレー生誕の地(The Birthplace of Silicon Valley)」に認定する記念式典を開催した。

シリコンバレー生誕の地「391 San Antonio Road」
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半導体研究所が一連の流れの源

 ショックレー半導体研究所は、シリコンバレーにできた初めての半導体関連の組織(米ベックマン・インスツルメンツ、現ベックマン・コールターの一部門)であり、この地をシリコンバレーたらしめるきっかけを作った。ショックレー半導体研究所そのものはビジネス的に成功しなかったが、そこから独立したロバート・ノイス氏やゴードン・ムーア氏など「8人の反逆者」が、世界で初めてICを量産化した米フェアチャイルドセミコンダクターを設立した。

 そしてフェアチャイルドセミコンダクター出身者がその後、インテルや米AMDなどの数多くの半導体メーカーだけでなく、米クライナー・パーキンスや米セコイア・キャピタルなどの有力ベンチャーキャピタル(VC)を起業。シリコンバレーが半導体とスタートアップの世界的な中心地として成長することになった。こうした一連の流れの源にショックレー半導体研究所があることから、その創業の場所がシリコンバレー生誕の地に認定された。

 ショックレー半導体研究所の建物は近年まで残っていて食料品販売店として使われていたが、2015年から大規模な再開発が始まり、2018年秋に2棟のオフィスビルやホテル、飲食店、映画館などで構成する複合施設「The Village at San Antonio Center」に生まれ変わることになった。新しく建ったビルには、そこがかつてショックレー半導体研究所だったことを示すプレートやモニュメントが設置された。

トランジスタのオブジェクト
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 IEEEによる式典は、こうしたプレートやモニュメントを披露するものだった。式典では1957年にショックレー半導体研究所に入所した経歴がある米スタンフォード大学のジェームズ・ギボンズ名誉教授が、同研究所の歴史を振り返る講演をした。ギボンズ氏が語る歴史はとてもドラマチックだので、簡単に紹介しよう。

米スタンフォード大学のジェームズ・ギボンズ名誉教授
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