米グーグル(Google)がエンタープライズITベンダーらしくなってきた。2018年7月24~26日に開催した年次カンファレンス「Google Cloud Next 2018」で、様々な業界に特化したAI(人工知能)ベースの業務アプリケーションを次々と投入する方針を明らかにしたのだ。米IBMや米マイクロソフト(Microsoft)と正面から競合することになる。

顧客の問い合わせにAIが応答

 業務アプリケーションの第1弾として7月24日に発表したのが、コンタクトセンター向けのソリューション「Contact Center AI」だ。顧客からの電話の問い合わせに合成音声で応答し、顧客の話す内容を理解して、必要に応じて人間のオペレーターに会話を引き継ぐAIを開発した。SaaS(Software as a Service)として企業に提供する。

 グーグルはチャットボットのような会話型アプリケーションを開発するツール「Dialogflow」のベータ版を2017年11月に提供済み。Contact Center AIは同ツールに、電話への対応機能や音声合成機能、人間のオペレーターに会話を引き継ぐ機能、電話のやり取りをテキスト化する機能、顧客の話す内容にマッチするFAQ情報を見つけ出す機能などを追加することで実現した。

 Google Cloud Next 2018の基調講演では、EC事業者の米イーベイ(eBay)が登壇。コンタクトセンター用インフラストラクチャーのベンダーである米ジェネシス(Genesys)と共同で開発したContact Center AIの導入事例を紹介した。

 イーベイが紹介したデモは、靴を購入した顧客から寄せられた返品に関する問い合わせの電話にAIが応答するものだ。顧客の求めに応じて返品の手続きを開始しただけでなく、代わりの商品を推薦するために会話を人間のオペレーターに引き継ぐ様子が示された。

米イーベイが紹介した「Contact Center AI」のデモ
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 つまりグーグルが既存のエンタープライズITベンダーのように、ユーザー企業やパートナー企業と連携して、業務アプリケーションを開発し始めたのだ。グーグルのCloud AI部門でチーフサイエンティストを務めるフェイ・フェイ・リー(Fei-Fei Li)氏は基調講演で、業界に特化したAIソリューションをこれから次々と投入する計画だと語った。

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