ベンチャーキャピタル(VC)から巨額の資金を調達したり、米ウーバーテクノロジーズ(Uber Technologies)と業務提携したりと、電動スクーターのシェアリング(共有)サービスを提供するスタートアップが勢いづいている。しかし実際に電動スクーターに乗ってみると、疑問に感じるところが多々あった。電動スクーターは新しい交通手段になり得るだろうか。

 記者が今回試したのは、2018年7月9日(米国時間)に3億3500万ドルの資金調達やウーバーとの業務提携を発表した米ライム(Lime)と、既に4億1500万ドルの資金調達を成し遂げた米バード(Bird)の2社が米サンノゼで展開する電動スクーターだ。両社とも推定企業価値が10億ドルを超えるユニコーンである。

米ライムの電動スクーター
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 シリコンバレーでは2018年3月ごろから、この2社に加えて米スピン(Spin)がレンタルする電動スクーターが街中で目に付くようになった。もっともサンフランシスコ市では2018年6月から、市の交通当局が電動スクーターのシェアリングサービスを対象とした新しい規制を施行したため、数百台はあった電動スクーターが一斉に姿を消した。しかしサンノゼ市のダウンタウンでは未だに数多くの電動スクーターが稼働している。

電動スクーターでサンノゼの中心部を移動する人々
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 バードのスマートフォン向け専用アプリでサンノゼのダウンタウンを表示すると、数え切れないほどの電動スクーターが稼働していることが分かる。まずはバードの電動スクーターに乗ってみた。

バードのスマホアプリ画面。大量の電動スクーターが稼働していることが分かる
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米国の運転免許証が必要

 ユーザーは専用アプリを使って、電動スクーターの2次元バーコードを撮影し、ロックを解除する。初回利用時には、専用アプリで運転免許証の両面の撮影も必要だった。電動スクーターの利用に当たっては、「18歳以上」「運転免許証の保有」「ヘルメット着用」「自転車専用レーンの走行など交通規則の遵守」などが求められるためだ。

バードの電動スクーターのハンドル。右手のレバーがアクセルとして機能する
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 電動スクーターで走り始める際には助走が必要だ。ユーザーは電動スクーターに片足を乗せ、もう片方の足で地面を蹴って走り出す。ある程度スピードが出てきたら、ハンドルの右手にあるレバーをひねる。そうするとモーターによって加速する。搭載する小型モーターだけでは、静止した状態から始動できるほどの力が出ないためだろう。

バードの電動スクーターに乗る記者。大人2人分の重量がある記者が乗ってもスムーズに走った
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 電動スクーターに乗った感想は、はっきり言って怖かった。最高時速は15マイル(約24km)と、自転車に比べて速いわけではない。しかし乗り慣れた自転車に比べると、車輪が小さい電動スクーターはバランスをとりづらく、安定感に欠ける。

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