子供がオモチャとして乗る「キックスクーター」にモーターを載せた電動スクーターのシェアリング(共有)サービスがバブルじみてきた。創業1年のスタートアップがベンチャーキャピタル(VC)から巨額の資金を相次ぎ調達。既に2社の「ユニコーン(推定企業価値が10億ドルを超える未上場企業)」が生まれた。

 2018年7月9日(米国時間)に3億3500万ドルの資金調達を発表したのはシリコンバレーに拠点を置く米ライム。2017年に米国で電動スクーターや電動自転車などの共有サービスを開始し、6月にはフランス・パリに進出した。同社には今回、米グーグル(Google)系のVCである米GV(旧:グーグルベンチャーズ)や、自動運転を巡ってグーグルとライバル関係にある米ウーバーテクノロジーズ(Uber Technologies)が出資した。

米ライムの電動スクーター
出所:米ライム
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 ライムが調達した資金の総額は今回で4億6700万ドルに達し、推定企業価値は10億ドルを超えたもようだ。ライムはウーバーからの出資を受け入れると同時に提携も発表。ウーバーのスマートフォンアプリから、ライムのサービスを利用できるようにするとした。

 ロサンゼルス近郊のベニスに拠点を置く同業の米バードも2018年6月までに計4億1500万ドルの資金を調達。同社の推定企業価値も20億ドルを超えたと報じられている。両社ともサービス開始は2017年であり、異例のスピードでユニコーンの仲間入りを果たした。

ファースト&ラストマイルをカバー

 ライムやバードが提供するのは、電動スクーターや電動自転車が乗り捨て自由のサービスだ。利用者はまず専用スマホアプリを使い、自分の周囲にある電動スクーターを探す。次に電動スクーターの2次元バーコードをスマホのカメラで撮影するとロックを解除できるので、そのまま乗車する。右手のハンドルをひねると前進、加速し、最高時速は15マイル(約24km)という。

 乗り終えた電動スクーターは、近場にある公共の自転車置き場などに乗り捨てる。最近日本で増えている自転車共有サービスの場合、専用の自転車置き場に駐輪する決まりだ。乗り降りする場所が自由であることが、電動スクーター共有サービスのメリットになる。電動スクーターは他の利用者が使うか、誰も使わなければスタートアップが雇った一般人が夜中に1台5ドルで回収して充電する。

 1回当たりの基本料金は1ドル。1分当たり15セントの利用料金が別途かかる。10分乗れば1kmほど移動できて料金は2.5ドルとなる。

 ライム共同創業者のトビー・サン氏は7月9日に発表した声明で、同社が「(鉄道などの公共交通機関がカバーできない)最初と最後の1マイルのマイクロモビリティ・ソリューションを提供する存在だ」と宣言。電動スクーター共有サービスは利用者の利便性を高めるだけでなく、自家用車やタクシーの利用を減らすことで、都市の交通渋滞を緩和すると主張した。

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