米グーグル(Google)のAI(人工知能)研究拠点が世界中に広がっている。2018年6月にアフリカのガーナに開設すると発表。これに先立つ4月にはGoogle Brainの日本拠点を開設する計画も明らかにした。各国がAI人材流出の懸念を抱く中、アカデミアとの友好的な関係を築こうとしている。

 グーグルはガーナの首都アクラに「Google AI Research Center in Africa」を開設。ガーナでAI研究者やソフトウエアエンジニアを採用するだけでなく、同センターを通じてアフリカの大学や研究機関と連携を深め、アフリカ各国の政府とアフリカにおけるAI活用に関して協議していくとしている。

アフリカならではのAI需要を開拓

 グーグルのAI研究開発を統括するジェフ・ディーン(Jeff Dean)氏は、5歳の時にウガンダで1年間、13歳の時にソマリアで6カ月間を過ごすなどアフリカとの縁が深いことをアピールしているが、それだけが理由ではない。AIの産業への応用を進めるうえで、アフリカでの知見が役に立つと見ているのだ。

「Google I/O」で講演するジェフ・ディーン氏
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 例えば同社は2018年3月にシリコンバレーで開催したディープラーニング(深層学習)の開発者会議「TensorFlow Dev Summit」で、ペンシルバニア州立大学がアフリカのタンザニアで進めるプロジェクト「PlantVillage」を紹介した。

 PlantVillageはAIを農業に応用したプロジェクト。キャッサバの葉の画像から病害の有無を判定するスマートフォンアプリ「Nuru」を開発しており、画像認識機能にはグーグルの深層学習ライブラリー「TensorFlow」を活用している。

キャッサバの病害を見つけ出す「PlantVillage」プロジェクト
出所:グーグル
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 キャッサバの病害を見分けるには専門的な知識が不可欠。アフリカ諸国は作物の病害に詳しい専門家が不足し、これまで十分に対応できていなかった。専門知識が無くても作物の病害を見分けられるスマホアプリは、アフリカの農家に大きなメリットをもたらす可能性がある。

 様々なジャンルの専門家が不足している国には、その土地ならではのAI活用のニーズがある。アフリカにAI研究拠点を設けることで、こうしたニーズを開拓できる。

 東京では機械学習の研究者の採用を開始した。募集するのはコンピュータサイエンスの博士号を持つ人材だけでなく、「NIPS(Conference on Neural Information Processing Systems)」や「ICLR(International Conference on Learning Representations)」、「ICML(International Conference on Machine Learning)」といった機械学習関連の有力な学会での発表経験がある研究者だ。

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