「グーグルの透明性に深刻な疑念が生じている」。米上院商業科学運輸委員会に所属する3人の上院議員が2019年2月25日(米国時間)、米グーグル(Google)を強く批判し、同社の姿勢を問いただす書簡を送付した。同社が2017年9月から販売するホームセキュリティー製品「Nest Secure」に、仕様書に無いマイクが搭載されていたことが判明したためだ。

米グーグルのホームセキュリティー製品「Nest Secure」
(出所:米グーグル)
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 Nest Secureはモーションセンサーやドアの開閉センサーなどを使用して不審者の侵入を検出し、侵入時には大きなアラームを鳴らす。同製品の中心的なデバイスは円筒形の「Nest Guard」(写真左端)で、センサーのデータを集約してアラームを鳴らしたり、クラウドと連携してユーザーのスマートフォンアプリに通知を送ったりする。

音声アシスタントの追加にユーザーが驚愕

 騒動の発端は2019年2月4日(米国時間)。グーグルは、Nest Secureで音声アシスタント「Googleアシスタント」が利用可能になったと公式ブログで発表した。ユーザーがNest Guardに「OK Google」と話しかけることで、当日の天気を確認したり、宅内のGoogleアシスタント対応スマート家電をコントロールしたりできるようになるとした。

 よくある機能追加に見えるが、これに一部のユーザーが驚愕(きょうがく)した。なぜなら、Nest Secureの発売以来、マイクを搭載しているとは製品仕様に一切記述されていなかったからだ。「グーグルは隠しマイクを搭載していたのか」「隠しマイクでユーザー宅を盗聴していたのか」といった疑問が「Twitter」などで流れ始めた。

 これに気付いた米メディア「Business Insider」が2019年2月19日(米国時間)に記事で取り上げ、Nest Secureの「隠しマイク問題」が広く世間に知られるようになった。

 グーグルはBusiness Insiderに対して、マイクの存在をユーザーに伝えていなかったことを認め、これが「エラー(誤り)」であり「秘密にする意図は無かった」と説明した。ユーザーはスマホアプリでGoogleアシスタントの有効・無効を設定できるとも述べた。

上院議員が怒りの声、ハッカーの攻撃も懸念

 しかしグーグルの説明に納得がいかなかった人たちがいた。米上院商業科学運輸委員会の議員たちだ。同委員会は2018年9月、米アップル(Apple)や米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)、グーグルのプライバシー保護責任者を公聴会に呼び、各社のプライバシー保護対策を問いただしていたからだ。

 委員長のロジャー・ウィッカー(Roger Wicker)上院議員など3人の共和党上院議員がグーグルのスンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)CEO(最高経営責任者)宛てに送付した書簡では、怒りをこう表現した。

 「グーグルの最高プライバシー責任者は2018年9月、米上院商業科学運輸委員会の公聴会で『透明性は当社が顧客に奉仕する際に最も重視していることだ』と証言した。それにもかかわらず、グーグルはNest Secureにマイクを搭載していたことを公表していなかったため、消費者に対する透明性や説明責任に関する努力に深刻な懸念が生じている」。

 さらにウィッカー上院議員らは「たとえグーグルがマイク機能で情報収集をしていなかったり、同機能がデフォルトでオフになっていたりしたとしても、ハッカーなどによってマイクが乗っ取られた場合に不法な録音が行われるリスクが生じる」と書簡で指摘。ユーザーに伝えていないマイクが存在することの危険性を訴えた。

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