米クラウド大手の設備投資競争は過熱する一方だ。2015年からの3年間で投じた設備投資の総額は、米アルファベット1社だけで約3兆5000億円にも及ぶ。各社が競うようにデータセンターや海底ケーブル網などに巨費を投じているためだ。

 今回は米グーグルの持ち株会社であるアルファベット、米アマゾン・ドット・コム、米マイクロソフトの3社が発表したキャッシュフロー計算書に基づいて、過去3年間の設備投資の状況を追った。決算期が12月期ではないマイクロソフトに関しては、四半期決算に基づいて暦年ベースでの設備投資額を算出した。

クラウド大手の設備投資状況
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 2017年における3社の設備投資動向を見ると、アルファベットとアマゾンの伸び率が高かった。アルファベットの設備投資額は131億8400万ドルで前年比23%増、アマゾンの設備投資額は106億4000万ドルで同58%増だった。一方、マイクロソフトは同5%減となっており、設備投資額は86億9600万ドルだった。

グーグルの設備投資額は3年で約3兆5000億円にも達する
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リージョン開設競争が投資を加速

 クラウド大手の設備投資が増えているのは、近年のクラウド競争が世界中にデータセンター網(リージョン)を張り巡らす「リージョン開設競争」の様相を呈しているからだ。現時点で最も多くのリージョンを設けているのは「Microsoft Azure」で、その数は36カ所に達する。同社はさらに6カ所のリージョンを追加する計画だ。それに続くのが「Amazon Web Services(AWS)」でリージョン数は18カ所。近日中に4カ所のリージョンを開設するとしている。「Google Cloud Platform」のリージョン数は15カ所で、2018年中に2カ所を追加する計画だ。

 リージョンはデータセンターを建設すれば完成するわけではない。クラウド大手のリージョンは数カ所、多い場合は十数カ所以上のデータセンターで構成される。データセンターを相互接続する大容量光ファイバー網や、リージョンを相互接続する海底ケーブル網などにも投資が必要だ。

 クラウド大手による海底ケーブルへの直接投資は、日米間海底ケーブル「Unity」や「FASTER」へのグーグルの出資が先駆けだったが、マイクロソフトも北米-南米を結ぶ海底ケーブル「Seabras-1」や大西洋を結ぶ海底ケーブル「MAREA」への出資でグーグルに追従したほか、AWSも2016年にハワイ・ニュージーランド間海底ケーブル「Hawaiki」に出資することで、海底ケーブルへの直接投資を開始している。

 各社とも設備投資の内訳を明らかにしていないが、データセンターが増えるにつれ、それらを相互接続するネットワークへの投資も、急速に拡大している可能性が高い。

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