音声アシスタントなど家電のAI(人工知能)機能は、もはや付加価値にならない。家電メーカーはタダ同然のコストで、大手プラットフォーマーが提供するAI機能を家電に搭載できるようになったからだ。それではAI家電でどう稼ぐのか。その方向性を示したのは米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)だった。

 AIが家電の付加価値にならないことは、2019年1月初旬に米ラスベガスで開催された「CES 2019」でも明らかだった。米グーグル(Google)はCESに合わせて「Google Assistant Connect」を発表した。家電メーカーに対して数ドル程度でチップセットを提供し、家電に搭載することでグーグルの音声アシスタント「Google Assistant」を利用できるようになる。

グーグルがCESに設けた「Google Assistant」のパビリオン
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様々なデバイスがGoogle Assistantに対応していることを示した
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 同様の取り組みはアマゾンも2018年9月に発表済み。アマゾンは音声アシスタント「Alexa」を搭載したデジタル家電を実現する開発キット「Alexa Connect Kit(ACK)」を、やはり数ドル程度のコストで家電メーカーに提供している。

 家電メーカーは独自のハードウエアやソフトウエアを開発しなくても、グーグルやアマゾンが提供するパーツを組み込むだけで、家電に音声アシスタント機能や自然言語処理機能を組み込めるようになった。しかもそのコストは1台につき数ドル程度。どんなメーカーでもわずかな費用で家電にAIを搭載できるようになったのだから、AIは付加価値にならなくなった。

アマゾンが見せた「留守宅商法」

 それではAI家電でどう稼げばいいのか。アマゾンがCESの会場でアピールしたのは、以下のような「留守宅商法」だった。

アマゾンがCES 2019に出展した「Amazon Key」のブース
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 消費者はネットワーク経由でドアの施錠や解錠ができる「スマートロック」とAIカメラ「Amazon Cloud Cam」を自宅に装備。するとアマゾンの配達員が留守宅のドアを解錠して玄関先に荷物を置いたり、提携のホームクリーニング事業者が留守宅に入って掃除したりできるようになる。留守宅はAIカメラが監視しているので、配達員や作業員は悪さができない仕組みだ。

アマゾンの配達員がガレージを開けて荷物を置けるようになった
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